2019年6月7日、老舗百貨店の高島屋が発表した「お中元」に関する最新の意識調査結果は、日本の夏の贈答文化が変化している現状を鮮明に映し出しています。今回の調査は、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティマーケティングとの共同で、3,000人を対象にインターネットを通じて実施されました。
今年の夏、日頃の感謝を込めて相手に品物を贈る**「お中元」**を「贈る予定がある」または「良い物があれば贈ってもよい」と考えている人は、全体の42.2%という結果になりました。一方で、近年非常に注目を集め、増加傾向にある「自宅用」としての購入意向は、「購入してみたい」「良い物があれば購入してもよい」を合わせると39.6%にも上り、贈答品を自分自身や家族で楽しむという新しい消費行動が根付いていることがうかがえます。SNS上でも、「正直、お中元は自分へのご褒美にしたい」「デパートの美味しいものが自宅で食べられるのは嬉しい」といった、自宅消費に対するポジティブな反響が散見されます。
特にこの自宅用の需要を牽引しているのが、若い世代です。自宅用として購入を検討している人の割合は、20代が40.7%と全年代で最も高くなっています。このデータから、若い世代を中心に、格式ばった贈答の習慣というよりも、上質な食品や珍しい品物を自分たちの家で消費する「プチ贅沢」として、お中元という機会を捉えている傾向が読み取れるでしょう。私見ではありますが、これは単に習慣が薄れているのではなく、むしろ百貨店が厳選した「良い品」をカジュアルに楽しみたいという、合理的な価値観の表れではないかと考えています。
一方で、本来の「贈答用」としてお中元を購入する意向は、年代が上がるにつれて増加する傾向が顕著です。20代では29%と最も低いものの、60代では63%と過半数を大きく上回る結果となりました。しかし、自宅用の購入意向を見てみると、20代に次いで60代が40.5%と高く、さらに50代が39.5%、30代が39.2%と、すべての年代が概ね4割前後となっており、幅広い層で「自宅で楽しむお中元」が浸透していることが確認できます。
このような消費行動の変化に対応するため、高島屋は自宅で手軽に楽しめる商品のラインナップを拡充しています。たとえば、電子レンジで温めるだけで済む「料亭のライスバーガー」(5,400円)や、解凍するだけで高級感のあるデザートが楽しめる「フルーツ入甘味4種のジュレ」(5,724円)など、調理の手間を省きながらも品質の高い、いわゆる**「簡便食」**(調理の手間が少なく、すぐに食べられる食品のこと)を充実させているのです。これは、贈答の習慣を維持しつつも、現代の多忙なライフスタイルや、自宅で特別な食体験を求めるニーズに応える、非常に賢明な戦略だと言えるでしょう。
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