中国の石油製品輸出枠が過去最高を更新!供給過剰が招くアジア市場への衝撃と日本への影響

2019年07月10日、世界のエネルギー市場を揺るがす大きな動きが報じられました。中国政府が発表した最新の石油製品輸出枠において、その数量が前年の同じ時期と比較して2割以上も拡大したことが明らかになったのです。春先までは市況の低迷やメンテナンスの影響で落ち着きを見せていた輸出動向ですが、ここへ来て急激な変化が訪れています。

この変化の背景には、中国国内で深刻化している供給過剰の問題が潜んでいるようです。かつては国内の旺盛な需要を支えることに注力していた中国ですが、現在は作りすぎたガソリンなどをいかに国外へ放出するかが課題となっています。SNS上でも「中国産のガソリンがアジア中に溢れかえるのではないか」といった、市場への影響を懸念する声が広がっています。

そもそも「輸出枠」とは、中国商務部が国営石油会社に対して、国外への販売を許可する数量の上限を指します。自由な取引が制限されている中国では、この枠の増減が国際的な需給バランスを左右する極めて重要な指標となるのです。2019年07月10日時点の情報によると、今回の第2回割り当て分は、主要5社合計で2850万トンという驚異的な規模に達しました。

スポンサーリンク

新興勢力の台頭と国営企業の苦悩

なぜ、これほどまでに輸出を急がなければならないのでしょうか。その理由は、恒力石化(ハンリ・ペトロケミカル)をはじめとする、輸出枠を持たない民間系の巨大な製油所が相次いで稼働を開始したことにあります。これらの新工場が供給する膨大な燃料が国内に溢れ、国営企業は自らの取り分を確保するために、製品を外へ押し出さざるを得ない状況に追い込まれています。

私自身の視点から分析すると、これは中国のエネルギー産業が構造的な転換点を迎えている証拠だと言えるでしょう。単なる内需主導の成長モデルから、過剰な生産能力を世界市場に転嫁する段階へと移行しており、その影響力は無視できません。2020年にかけてさらに複数の新設工場が計画されていることを踏まえると、この輸出拡大の勢いは一過性のものでは終わらないはずです。

アジア市場の供給が緩やかになれば、日本の石油製品価格にも波及する可能性が極めて高いでしょう。輸入コストの低下は歓迎すべき側面もありますが、精製業を営む企業にとっては競争激化という試練を意味します。2019年07月10日現在の情勢を見る限り、私たちは中国のエネルギー戦略がもたらす「供給の津波」に対して、これまで以上に警戒を強める必要がありそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました