出版流通の雄が仕掛ける新戦略!トーハンが人気文具「ロルバーン」のデルフォニックスを買収、広がる書店と文具の未来

出版物取次事業で国内大手として知られる株式会社トーハンが、2019年6月6日、文具製造販売の株式会社デルフォニックス(東京・目黒)を買収する方針を発表いたしました。この動きは、主力の取次事業の成長が鈍化する出版業界において、トーハンが事業の領域を大胆に広げ、新たな収益源を確立しようとする強い意志の表れと言えるでしょう。買収は2019年7月に完了し、デルフォニックスはトーハンの連結子会社となる予定です。

買収の対象となるデルフォニックスは、特にリングノートの「ロルバーン」をはじめとする、高い機能性と洗練されたデザインを兼ね備えたオリジナルブランド製品で広く知られています。また、同社は自社ブランドの展開に加えて、国内外のユニークな文房具や雑貨をセレクトして扱うショップを、首都圏を中心に約30店舗も展開しているのです。こうした店舗は10代から30代の若い男女を中心に多くの支持を集めており、その顧客層の魅力はトーハンにとっても計り知れない価値があります。

デルフォニックスの2018年6月期の売上高は約40億円、従業員数は78名という規模です。今回の買収を通じて、トーハンはデルフォニックスが持つ強力な文具の品揃えとブランド力を取り込み、商品ラインナップを大幅に拡充する方針です。さらに、文具の海外販売といった新たな事業展開も積極的に進め、収益の多角化を加速させることでしょう。

この買収劇は、出版業界を取り巻く厳しい環境の中で、トーハンが生き残りをかけて打つ戦略的な一手だと拝見しています。出版業界における「取次」(とりつぎ)とは、出版社から雑誌や書籍を仕入れ、全国の書店へ流通させる卸売業者のことを指します。この取次事業は、紙の出版物の需要減少に伴い、近年その役割やビジネスモデルの変革が求められておりました。

トーハンは、この買収によって、既存の書店とデルフォニックスの魅力的な文具を組み合わせた「複合店舗」の開発を推進していく考えです。つまり、書籍と親和性の高い文具を同一空間で提供することで、来店客の滞在時間や購買単価の向上を目指す、新しい「書店のあり方」を提案していくものと思われます。文具は書籍と並び、「知的な消費」を促す有力なコンテンツであり、これは非常に理にかなった戦略だと評価できます。

このニュースは、SNS上でも大きな反響を呼んでおります。「ロルバーン」は、その書き心地やデザインの良さから熱狂的なファンを持つ人気商品であるため、「書店でロルバーンがもっと手に入りやすくなるのは嬉しい」「文具と本が融合した新しいお店の形に期待する」といった歓迎の声が多数見受けられます。一方で、「出版取次が本業以外に力を入れるのは時代の流れか」といった、業界の構造変化を指摘する意見も散見されており、多くの人々がこの動向に注目していることが伺えます。

この大胆な事業の多角化は、トーハンが持つ書店ネットワークと、デルフォニックスが培ってきたブランド力や商品企画力が組み合わさることで、単なる文具の拡充に留まらない、大きなシナジー(相乗効果)を生み出す可能性を秘めています。出版と文具という親和性の高い領域での融合は、読者や消費者に新しい購買体験を提供し、「書店」という場所の価値を再定義する大きな一歩となるに違いありません。

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