カリフォルニアに激震!PG&Eが踏み切る「命を守る計画停電」の衝撃とシリコンバレーの苦悩

青い空と輝く太陽が象徴的なカリフォルニア州がいま、かつてない緊張感に包まれています。2019年01月に経営破綻を表明した電力最大手のパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)が、今夏の山火事を防ぐための最終手段として、大規模な計画停電を断行する方針を明らかにしました。乾燥した強風が吹き荒れる季節を前に、州北部の広範囲で電力がストップする事態が現実味を帯びています。

SNS上では「ITの聖地で電気が使えなくなるなんて信じられない」といった驚きの声や、企業の生産性低下を危惧する投稿が相次いでいます。今回の計画停電は、湿度が低く強風が吹くといった特定の気象条件が揃った地域が対象となる予定です。驚くべきことに、本来はリスクが低いとされる沿岸部のサンフランシスコ市やサンノゼ市までもが、送電ルートの関係で暗闇に包まれる可能性があると発表されました。

ここで注目すべきは、PG&Eがこれまでの失敗を猛烈に反省している点でしょう。2018年11月に発生し、85人もの尊い命を奪った大規模な山火事について、州当局は同社の送電設備が火元であったと断定しました。100年近く稼働し続け、老朽化した設備を放置していた代償はあまりにも大きく、同社は300億ドルを超える巨額の賠償責任を背負い、米連邦破産法11条の適用を申請するに至ったのです。

米連邦破産法11条とは、日本でいう「民事再生法」に相当する手続きで、事業を継続しながら再建を目指す仕組みを指します。過去の教訓から、2019年07月17日現在のPG&Eは、これまで対象外だった高圧送電線までも遮断する厳しい姿勢を見せています。たとえ利用者の利便性を損なうことになっても、二度と悲劇を繰り返さないという不退転の決意が、今回の異例とも言える計画停電には込められているのです。

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経済への打撃と不透明な判断基準への不信感

しかし、540万件もの契約者すべてに影響が及ぶ可能性に対し、行政側からは厳しい視線が注がれています。サンノゼ市のデビッド・サイクス市政代行官は、市民の生命維持や経済活動への甚大な被害を指摘し、同社に詳細な説明を求める書簡を送付しました。実施の48時間前にメールで通知される仕組みですが、送電再開までに数日を要する場合もあり、懐中電灯や非常食の確保が呼びかけられる異例の事態となっています。

編集部としては、このインフラ崩壊とも言える現状に強い危機感を抱かざるを得ません。世界をリードするテック企業が集結するシリコンバレーで、20世紀のような電力不安が続くことは、イノベーションの火を消しかねないからです。安全確保は最優先事項ですが、企業の保守怠慢が招いたツケを、市民や企業が「停電」という形で支払わされる構造には、公共インフラの在り方として大きな疑問が残ると言えるでしょう。

カリフォルニア州は、2000年前後にも電力自由化の歪みから深刻な電力危機を経験しており、PG&Eはその際も一度破綻しています。一方で、公営電力を維持しているロサンゼルス市がこの混乱とは無縁である事実は、電力供給の民営化というモデル自体に再考を促しています。州北部の自治体の中には、自前で供給体制を築こうとする動きも加速しており、エネルギー政策の抜本的な転換点がすぐそこまで来ているのかもしれません。

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