2019年07月17日、日本の医療界に新たな歴史を刻む画期的なニュースが秋田県から届きました。加齢に伴う筋力の低下などが原因で、背骨が曲がったりズレたりしてしまう「脊椎変性疾患」をご存知でしょうか。この病気は、悪化すると激しい痛みや麻痺を引き起こし、歩行困難に陥ることもある非常に深刻な疾患です。現在、国内では400万人から500万人、世界規模では2億人もの人々がこの苦しみに直面していると推計されています。
この大きな課題に対し、秋田県立循環器・脳脊髄センター(2019年03月に秋田県立脳血管研究センターから名称変更)が、驚くべき新手術法を開発しました。従来の「脊椎固定術」では、背中を大きく切開して背骨に直接穴を開け、太さ5ミリ程度の金属製ネジをねじ込む手法が一般的だったのです。しかしこの方法では、ネジが神経や血管を傷つけるリスクや、高齢で骨がもろい患者さんの場合にネジが外れてしまうといった懸念が常に付きまとっていました。
3Dプリンターが可能にした「傷つけない」オーダーメイド医療
そこで、同センターの脊椎外科医である菅原卓副病院長が考案したのが、革新的な脊椎固定具「TM FIXATIONシステム」です。このシステムの最大の特徴は、患者さん一人ひとりの背骨の形状に完璧にフィットするチタン合金製のカバーを使用する点にあります。CTスキャンで撮影した精密な骨の画像を基に、高性能な3Dプリンターを用いて、その方だけの専用カバーを作り出すという、まさに現代のテクノロジーを結集させた手法と言えるでしょう。
この新しい固定具は、背骨の突起部分にカバーを被せて連結させる仕組みのため、大切な骨を傷つける必要が全くありません。従来のネジを使用する方法では、手術に2時間半以上の時間を要し、それに伴う感染症のリスクも大きな課題でした。しかし、この新システムを導入することで、手術時間はわずか30分程度へと劇的に短縮される見通しです。身体への負担が軽くなることは、高齢の患者さんにとって何よりの福音となるに違いありません。
世界が注目する秋田発のイノベーションとSNSの反響
このプロジェクトは、秋田県産業技術センターや秋田大学、さらには岩手、岐阜の各大学が手を取り合うことで実現しました。日本医療研究開発機構(AMED)の支援も受け、すでに日本、米国、ドイツ、スイスの4カ国で特許を取得済みというから驚きです。菅原副病院長によれば、かつては金属の削り出しで試作したため1人分で100万円もかかっていたコストが、3Dプリンターの普及によって一気に開発が進み、実用化の目処が立ったのだそうです。
このニュースに対し、SNS上では「家族が腰の病気で悩んでいるので、早く普及してほしい」「地方の病院から世界的な技術が生まれるのは素晴らしいことだ」といった感動と期待の声が溢れています。また、3Dプリンターという最新技術が、命を守る医療の現場で具体的に役立てられている点についても、「未来の医療がすぐそこまで来ている」と多くのユーザーが関心を寄せ、情報が広く拡散されている状況が見て取れます。
編集部が考える「これからの医療」のカタチ
筆者の個人的な見解としては、今回の新手術法は単なる技術革新に留まらない、患者さんの「尊厳」を守るための大きな一歩であると感じています。これまでの「骨を削り、ネジを打つ」という、ある種外科的な激しさを伴う手法から、「一人ひとりに寄り添うカバーで支える」という優しい発想への転換は、医療のあり方そのものを象徴しているのではないでしょうか。高度な技術が、患者さんの不安を安心へと変える瞬間を私たちは目にしています。
この「TM FIXATIONシステム」は、すでに薬事承認を受けており、2019年内には健康保険が適用される見通しとなっています。医療機器販売のアムテックを通じて、今後全国の病院へ普及していくことが期待されます。秋田から始まったこの挑戦が、世界中の「歩きたい」と願う人々の希望の光となる日は、もうすぐそこまで来ているのです。私たち編集部も、この技術が一人でも多くの患者さんに届く未来を心から応援していきたいと思います。
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