日本郵政グループが今、かつてないほどの苦境に立たされています。かんぽ生命保険による不適切な保険販売が発覚したことを受け、親会社である日本郵政の株価下落に歯止めがかかりません。2019年07月19日の東京株式市場では、一時前日比10円安の1101円を記録し、上場以来の最安値を更新する事態となりました。これは投資家からの信頼が大きく揺らいでいる証拠と言えるでしょう。
SNS上でもこのニュースは大きな波紋を広げています。「親の顔が見たいレベルの不祥事」「安心して預けられる存在だと思っていたのに裏切られた」といった厳しい批判が相次いでいます。また、株主からは「どこまで下がるのか不安で夜も眠れない」という悲痛な声も漏れており、まさに市場全体が疑心暗鬼に陥っている様子が伺えます。不適切販売という信頼の根幹を揺るがす問題は、想像以上に深い傷跡を残しています。
復興財源の確保を脅かす「1130円」という高い壁
今回の株価低迷は、単なる一企業の不祥事では済まされない深刻な側面を持っています。実は、政府は日本郵政株を売却することで、東日本大震災の復興に向けた大切な資金、いわゆる「復興財源」を賄う計画を立てているのです。具体的には、2022年度までに売却を完了させる必要がありますが、現在の株価はその目標を達成するための目安となる1130円台を大きく割り込んでしまいました。
「復興財源」とは、被災地のインフラ整備や生活再建のために使われる非常に重要な公的資金を指します。計算上、10億株あまりの売却で1.2兆円を確保するには、1株あたり1130円以上の価格で売る必要があります。しかし、実際には投資家へ売る際の割引率なども考慮しなければなりません。そのため、市場での価格はさらに数パーセント上乗せされた水準でなければならず、現在の1102円という終値では、計画の根底が崩れかねないのです。
私個人の見解としては、公共性の高い日本郵政がこのような不祥事を起こしたこと自体、極めて遺憾だと感じます。多くの国民が「郵便局」というブランドに寄せてきた信頼を、目先の利益やノルマのために使い捨ててしまった代償はあまりにも大きいでしょう。特に、復興という国家的なプロジェクトの資金源が、一企業の不手際によって危うくなっている現状は、猛省を促すべき事態であると考えざるを得ません。
秋の売却計画に不透明感。投資家の不安を払拭できるか
市場関係者の間では、本来2019年08月末から09月にかけて予定されていた第3次の株式売却が、延期を余儀なくされるのではないかという憶測が飛び交っています。証券業界からも「この混乱の最中で売り出しても、買い手がつくとは思えない」という冷ややかな指摘が上がっているようです。財務省は慎重に判断を下す構えですが、2019年10月の消費増税を前にしたこのタイミングでのつまずきは、政権にとっても大きな痛手となるでしょう。
もしこの秋のチャンスを逃してしまえば、次にいつ良好な条件で売却できるかの予測は全く立ちません。かんぽ生命の株価も、先月末から10パーセントを超える大幅な下落を見せており、グループ全体の収益性に対する不信感は募るばかりです。日本郵政が真に信頼を取り戻すには、形だけの謝罪ではなく、徹底した組織の膿を出し切り、抜本的な改善策を提示することが何よりも求められているのではないでしょうか。
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