2019年7月24日の午前、日本の歴史に刻まれる大きな一歩が首相官邸で踏み出されました。安倍晋三首相は、ハンセン病家族訴訟の原告である元患者のご家族らと対面し、長年にわたる苦難に対して直接、深い謝罪の意を表明したのです。この会談で首相は、大切な人生の中で強いてしまった筆舌に尽くしがたい苦痛に対し、政府を代表する立場で心からの言葉を述べました。SNS上でも「ようやく国が非を認めた」「失われた時間は戻らないが、大きな前進だ」といった、安堵と期待が入り混じった声が数多く寄せられています。
今回の謝罪は、2019年6月28日に熊本地裁が下した判決が確定したことを受けて実現しました。この裁判では、かつて国が取った隔離政策によって、患者本人だけでなくその家族までもが深刻な差別や偏見にさらされた責任が厳しく問われたのです。首相は面会の場で、裁判の結果を重く受け止め、差別や偏見を根絶するために政府が一丸となって全力を尽くす決意を語りました。単なる言葉だけに留まらず、具体的な救済に向けた強い意志が示された瞬間であったといえるでしょう。
注目すべきは、裁判に参加した原告団だけでなく、同じ境遇にあるすべての家族を救済するための「立法措置」を講じる方針が打ち出された点です。立法措置とは、新しく法律を作ったり改正したりすることで、国としての支援ルールを明確に定めることを指します。これによって、司法の場に直接赴かなかった方々も含め、広く手厚い補償が行われる道筋が見えてきました。林力団長をはじめとする原告団は約30名が出席し、誤った認識を正すための教育や啓発活動に国の総力を挙げてほしいと、切実な願いを伝えています。
現在、厚生労働省はご家族の意向を丁寧に汲み取りながら、補償金の金額や対象範囲といった救済制度の細かな設計を急いでいます。2019年7月24日の夕方には根本匠厚生労働相も面会を行う予定となっており、政府のスピード感ある対応が伺えます。熊本地裁の判決では、原告561人のうち541人に賠償が命じられましたが、今後の新制度では判決の枠を超えた包括的な救済が求められるでしょう。誰もが尊厳を持って生きられる社会へと、今まさに変わろうとしているのです。
編集部としては、今回の政府による控訴断念と直接謝罪を、人権回復への極めて重要なターニングポイントであると高く評価しています。ハンセン病という病そのものではなく、誤った知識がもたらした「社会的な排除」こそが真の問題でした。金銭的な補償はもちろん不可欠ですが、何よりも大切なのは、私たちがこの歴史を教訓として刻み、二度と誰一人として不当な差別に苦しむことのない未来を築くことではないでしょうか。これからの国の取り組みを、私たちは注視し続けなければなりません。
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