2019年07月21日に投開票が行われた参議院選挙が幕を閉じ、政治の季節は一つの区切りを迎えました。今回の結果は、安倍政権がこれまで推し進めてきた経済政策の舵取りを直ちに大きく変えさせるものではありません。しかし、令和という新しい時代が始まった今、これまでの延長線上ではない議論が必要ではないでしょうか。選挙戦を通じて各政党が提示したビジョンや、山積する課題を整理すると、これからの日本が進むべき道筋が鮮明に見えてきます。
まず私たちが直面している最大のテーマは、これまでの「非常時」を前提とした実験的な経済手法からの卒業でしょう。バブル崩壊以降、約30年間にわたり日本経済は資産価格の暴落やデフレ、そして2008年09月のリーマン・ショックといった未曾有の危機に翻弄され続けてきました。こうした前例のない事態に対処するため、政府や日本銀行は試行錯誤を繰り返し、これまでにない大胆な手段を講じてきたのです。その姿勢は評価されるべきですが、一方で副作用も蓄積しています。
現在、日本では「マイナス金利」という異例の事態が継続しており、日本銀行が国債を大量に買い入れるだけでなく、一般企業の株式を間接的に保有する大株主となっている状況にあります。これは、本来の市場経済の姿から大きく逸脱した「冒険的」な状態だと言わざるを得ません。SNS上でも「いつまでこの低金利が続くのか」「将来のツケが怖い」といった不安の声が散見されます。先進国の中でも最悪の水準にある財政状況を鑑みれば、今の仕組みは到底長くは持ちこたえられないはずです。
ここで言う「マイナス金利」とは、銀行が中央銀行にお金を預けると利息を払わなければならないという、通常の経済感覚とは逆転した仕組みを指します。景気を刺激するための劇薬ですが、長引けば金融機関の収益を圧迫し、経済の活力を削ぐ恐れもあるのです。私自身の考えとしては、危機を脱した今のタイミングこそ、無理のない「正統派」の経済政策へ回帰する決断が不可欠だと感じています。異常な状態を日常にしてはならず、健全な市場の機能を取り戻す勇気が求められています。
財政再建と社会保障の未来に向けた苦渋の決断
多くの経済学者の間では、日本の現状について一つの共通認識が形成されています。それは、超低金利のおかげで国債の利払い負担が抑えられているため、現在は表面的な混乱が起きていないに過ぎないということです。しかし、時計の針は止まってくれません。急激な少子高齢化に伴って社会保障費が膨らみ続ける現実に目を向ければ、今の財政構造が維持不可能であることは明白です。将来世代に重い負担を押し付けないためには、長期的な視点での改革が待ったなしの状況と言えます。
具体的な解決策としては、まず社会保障の合理化が避けられません。これは予算が自然に増えていくのを抑える厳しい道のりですが、それだけでは不十分なのが現実です。さらなる財源を確保するためには、消費税率を現在の予定である10%から、さらに引き上げていく議論も必要になるでしょう。増税は誰にとっても痛みを伴うものですが、国の土台を支えるためには避けて通れない課題です。ネット上では激しい議論を呼ぶテーマですが、感情論を超えた冷静な対話が今こそ必要だと私は確信しています。
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