2019年08月04日の夜、愛媛県今治市の穏やかな海域で、一人のベテラン漁師の命が失われる痛ましい事故が発生しました。午後21時ごろ、鵜島の東約1.2キロ付近を航行していた漁船から「父親が海に転落したかもしれない」という緊迫した救急通報が118番へ寄せられたのです。通報したのは、共に海に出ていた息子さんでした。
転落したのは、今治市宮窪町に住む漁業、村上寿康さん(80歳)です。村上さんは作業中に誤って船内にある「いけす」の中へと落ちてしまいました。この「いけす」とは、釣り上げた魚を港まで生きたまま運ぶために、船底の一部を仕切って海水を貯めておくスペースのことです。残念ながら搬送先の病院で死亡が確認され、死因は溺死と判明しています。
深夜の漁に潜む危険とSNSで広がる悲しみの声
夜間の海上作業は視界が極端に悪く、足元の一瞬の狂いが取り返しのつかない事態を招くことが少なくありません。今回の事故を受け、SNS上では「ベテランの漁師さんでも不慮の事故は起こり得るのか」「80歳まで現役で海に出ていたお父様を亡くされた息子さんの心情を思うと言葉がない」といった、深い悲しみや驚きの声が次々と投稿されています。
私自身、この記事を執筆するにあたり、長年地域を支えてきた熟練の漁師がこのような形で命を落とされたことに、強い衝撃と無念さを隠せません。漁師にとって「いけす」は日常的な仕事場の一部ですが、一度バランスを崩せば深い水槽のような構造が仇となってしまいます。救命胴衣の着用はもちろん、夜間作業における監視体制の重要性を改めて痛感せずにはいられません。
2019年08月05日現在、今治海上保安部などは当時の詳しい状況を調査していますが、高齢の漁師が現役で活躍する地域社会において、いかに安全を確保するかは大きな課題です。尊い命をこれ以上失わないためにも、漁船の構造改善や、複数人での作業時における声掛けの徹底が強く求められるでしょう。村上さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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