私たちの毎日の食事を支える「食」の基盤が、今、静かに揺らいでいます。農林水産省が2019年08月06日に発表した最新のデータによると、2018年度における日本の食料自給率(カロリーベース)は、前年度から1ポイント減少して37%という衝撃的な数字を記録しました。この数値は、記録的な冷夏による米不足で日本中が騒然とした1993年度の過去最低記録に並ぶものであり、食の安全保障に対する懸念が改めて浮き彫りになっています。
今回の自給率低下を招いた主な要因は、度重なる天候不順による国内農産物の減産にあります。主食であるお米の生産量は例年並みの水準を維持したものの、パンや麺類の原料となる小麦、そして味噌や豆腐に欠かせない大豆の収穫量が大きく落ち込んでしまいました。これらはいわゆる「カロリーベース自給率」、つまり私たちが摂取するエネルギーに対して、どれだけ国内産で賄えているかを示す指標に直結するため、数字を押し下げる大きな要因となったのです。
一方で、市場価格を反映させた「生産額ベース」の自給率は66%に留まり、前年度からの横ばいを維持しています。これは、輸入コストの変動や国内の野菜・果物などの高付加価値な作物が支えとなった結果と言えるでしょう。しかし、ネット上では「このままでは海外からの輸入が止まったら生きていけない」「スーパーの棚から国産が消えてしまうのではないか」といった、将来の食糧難を不安視する声がSNSを中心に次々と上がっており、国民の関心の高さが伺えます。
自給率低下が突きつける課題と編集部が考える「食」のあり方
ここで改めて「食料自給率」という言葉を解説すると、これは国内で消費される食料が、どれくらい国内生産でカバーされているかを示す割合のことです。特に日本が重視するカロリーベースの指標は、生存に不可欠なエネルギーの自給能力を測るものですが、先進国の中でも日本の低さは際立っています。気候変動による異常気象が当たり前になりつつある現在、特定の品目の不作がこれほどまでに全体の結果を左右する現状は、非常に危ういバランスの上にあると言わざるを得ません。
メディアの視点から言及すれば、今回の結果を単なる「数字の悪化」として片付けるべきではありません。私たちは安価な輸入食品の恩恵を受けていますが、それは同時に国内農業の脆弱化という代償を払っている側面もあります。自給率を向上させるためには、政府の支援策はもちろんのこと、消費者である私たちが積極的に国産品を選ぶという「意識的な選択」が不可欠です。地産地消を応援することは、巡り巡って自分たちの食の安全を守ることへと繋がっていくはずです。
2018年度の不作が教訓として残したものは、自然環境の変化に対する農業の難しさです。私たちが美味しい食事を楽しみ続けられる未来を維持するためには、農業を単なる産業としてではなく、国家の存続に関わる生命線として捉え直す時期に来ているのではないでしょうか。今日、買い物カゴに入れる野菜一つが、明日の日本の自給率を左右する一歩になるかもしれません。この記事を通じて、食卓の裏側に広がる日本の現状に少しでも思いを馳せていただければ幸いです。
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