スイスのバーゼルで開催された2019年08月25日の女子シングルス決勝。世界中のファンが息を呑んで見守ったのは、日本のエース・奥原希望選手とインドの猛者、プサルラ・V・シンドゥ選手による再戦でした。2017年の大会では約2時間にも及ぶ歴史的な死闘を演じた二人だけに、今回も誰もが激しいラリーの応酬を予想していたに違いありません。しかし、スポーツの神様は時に残酷なシナリオを用意するものです。
試合開始直後から、シンドゥ選手の179センチという圧倒的な高さを生かした強打が奥原選手を襲いました。バドミントンにおける「スマッシュ」とは、高い打点から角度をつけてシャトルを打ち下ろす攻撃ですが、この日のシンドゥ選手のショットは正確無比でした。奥原選手は持ち前の粘り強いレシーブを試みますが、防戦一方となり、思うようにシャトルをコントロールすることができない時間が続いてしまったのです。
スコアは第1、第2ゲームともに7点という、まさかの展開となりました。奥原選手は最後まで足掻き続けましたが、本来のキレのある動きが見られず、ストレート負けを喫する結果に終わったのです。表彰台で見せた彼女の瞳からは涙が溢れ、その悔しさが痛いほど伝わってきました。頂点まであと一歩のところで逃した金メダル。しかし、この過酷なトーナメントを勝ち抜き、銀メダルを獲得した功績は決して色あせません。
立ちはだかった宿敵の壁と、満身創痍で挑んだコート
彼女の動きを鈍らせていた一因は、満身創痍の体調にあったのかもしれません。準決勝でのフルゲームに及ぶ激戦の代償か、右足には痛々しいテーピングが巻かれていました。本人は「回復しきれなかったのも実力」と潔く語りましたが、連日の激闘が彼女の最大の武器である「フットワーク」、つまりコート内を自在に動き回る足運びを奪っていたのは明らかで、トップアスリートの過酷さを物語っています。
SNS上では、2019年08月26日の朝から多くのファンが熱いメッセージを寄せていました。「希望ちゃんの涙に胸が締め付けられる」「最後まで諦めない姿に勇気をもらった」といった励ましの声が相次いでいます。一方で「シンドゥ選手の攻撃が異次元だった」と対戦相手を称える声も目立ちました。多くの日本人が、画面越しに彼女の背中を押し、その敗戦を自分事のように悔しがっていたのが非常に印象的です。
編集部としては、今回の結果を単なる「完敗」として片づけるべきではないと考えています。身体的なダメージという逆境の中でも、最後までコートを走り抜こうとした彼女の精神力こそが、世界ランク上位に君臨し続ける真の理由ではないでしょうか。技術的な課題を突きつけられた形にはなりましたが、この悔しさを糧にして、彼女はさらに強く進化すると確信しています。今はまず、心身ともに休めてほしいですね。
2019年08月26日現在、東京五輪への期待が日に日に高まる中で、今回の銀メダルは大きな意味を持つはずです。女王の座を奪還することは叶いませんでしたが、世界の頂点を争うライバルの存在は、彼女の闘争心に再び火をつけたに違いありません。負けてなお強くなる、そんな奥原選手の次なる快進撃を私たちは信じています。日本の誇る小さな巨人が、再び世界の頂で輝く日を全力で応援していきましょう。
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