東京五輪への最速切符は誰の手に?2019年8月11日開幕、世界クライミング選手権で野中・楢崎ら精鋭が激突!

2020年の東京五輪で初めて採用されることになったスポーツクライミング。その歴史的な舞台への「第1号」となる内定者が、ついに決まろうとしています。2019年08月11日、東京都八王子市のエスフォルタアリーナ八王子を舞台に、世界クライミング選手権の幕が上がります。ファンの間では「いよいよ運命の日が来た」「日本勢のレベルが高すぎて代表争いが過酷すぎる」と、SNS上でも期待と緊張が入り混じった熱い声が飛び交っているようです。

今回の大会で最大の注目ポイントは、2019年08月20日と21日に決勝が行われる「複合(コンバインド)」種目でしょう。これは「スピード」「ボルダリング」「リード」という全く性質の異なる3つの競技を一人でこなし、その総合力を競うものです。今大会で7位以内に入った日本人最上位の選手が、東京五輪への出場権を手にできるため、まさに人生を懸けたハイレベルな登攀(とうはん)が繰り広げられるに違いありません。

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勝敗を分ける「かけ算」の魔法とスピードの進化

複合種目には、順位の数字をすべて掛け合わせるというユニークな計算ルールが存在します。例えば、ある種目で「1位」を獲れば、他の種目の順位が多少低くても、かけ算の結果(積)が小さくなり、一気に総合優勝へ近づける仕組みです。このため、特定の種目で圧倒的な強さを見せることが戦略上の鍵となるでしょう。こうしたルール設定が、最後まで誰が勝つか分からないスリルを生み出しており、観客を飽きさせない魅力となっているのです。

女子の注目株は、スピード種目で驚異的な成長を見せる22歳の野中生萌選手です。スピードとは、高さ15メートルの壁をいかに速く駆け上がるかを競う、いわば「垂直の百メートル走」のような競技です。野中選手は2019年07月のワールドカップで、8秒432という日本新記録を樹立しました。持ち前の爆発的なパワーに加え、無駄を削ぎ落とした直線的な動きを追求しており、本人はさらなる記録更新と五輪切符の獲得に並々ならぬ意欲を燃やしています。

一方、日本クライミング界を牽引してきた30歳のベテラン、野口啓代選手も黙ってはいません。彼女の武器は、4戦連続で世界2位に輝いたボルダリングの圧倒的な安定感と、スタミナが試されるリードでの実績です。ボルダリングは知恵と筋力で難解な壁を攻略する「体を使ったパズル」であり、リードは制限時間内にどこまで高く登れるかを競う持久戦です。長年培った技術と経験を武器に、集大成となる舞台へ挑む姿は、多くのファンの胸を打つことでしょう。

ここに、15歳の新星・森秋彩選手が「台風の目」として割って入る可能性も十分に考えられます。彼女はリード種目で日本勢トップの成績を収めており、スピードでの遅れをリードの1位でカバーする「一点突破」の戦略を狙っているようです。若さゆえの勢いと、プレッシャーを跳ね返すような登りは、上位勢を脅かす存在になるに違いありません。世代を超えた才能がぶつかり合う光景こそ、今の日本クライミング界の層の厚さを象徴しています。

男子は「絶対王者」楢崎智亜がリード、波乱の展開に期待

男子に目を向けると、今季のボルダリング年間王者である23歳の楢崎智亜選手が、代表内定の最有力候補として君臨しています。彼は2019年05月にスピードの日本記録も塗り替えており、まさに死角なしの状態といえるでしょう。これに対抗するのが、昨年の世界選手権王者である20歳の原田海選手です。彼もまたリードで着実に力をつけており、一瞬のミスが順位を大きく左右する過酷な展開のなかで、逆転劇を見せてくれるかもしれません。

編集者としての視点では、今回の選考基準が「7位以内の日本人最上位」という点に、非常にシビアなドラマを感じます。世界トップクラスの選手が揃う日本チームにとって、世界7位以内に入ることは決して不可能ではありません。しかし、それは仲間同士で唯一の椅子を奪い合う、残酷なサバイバルレースになることを意味します。この緊張感の中で、自分の登りを貫き通せた者だけが、夢の舞台へのチケットを掴み取ることができるのです。

いよいよ2019年08月11日から始まるこの熱戦は、日本のスポーツ史に刻まれる重要な一歩となるでしょう。途中で落下すれば一気に順位を落とすという、常に隣り合わせの絶望と希望。選手たちが指先に全神経を集中させ、壁を克服していく姿を、私たちは固唾を飲んで見守ることになりそうです。果たして、歴史に名を刻む最初の内定者は誰になるのでしょうか。八王子の壁に挑む彼らの勇姿を、ぜひその目に焼き付けてください。

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