四国地方を支える主要な地方銀行8行において、2019年3月末時点の決算状況が明らかになりました。民間調査機関の発表によると、これら8行の貸出金残高は合計で約15兆8000億円に達しており、前年の同時期と比較して3.6%もの伸びを記録しています。地域経済の血液とも言える「貸出金」が増加している事実は、地元の企業や個人による資金需要が底堅いことを示唆しているでしょう。
今回の調査で特筆すべき点は、対象となった8行のうち、実に7行という圧倒的な割合で残高が増加に転じていることです。SNS上では「地元企業の設備投資が活発になっているのではないか」といった期待の声が上がる一方で、「人口減少が進む中でこれだけの数字を維持するのは並大抵の努力ではない」と、各銀行の営業努力を評価する意見も散見されました。
増える貸出残高と「低金利の壁」というジレンマ
しかし、貸出金のボリュームが増えたからといって、手放しで喜べる状況ではありません。銀行の本業における収益の柱である「貸出金利息」に目を向けると、増益を確保できたのは8行中4行と、ちょうど半数にとどまりました。この背景には、日本銀行によるマイナス金利政策に伴う、長期的な「低金利環境」の継続が深く関わっていると考えられます。
ここで言う「低金利」とは、お金を借りる際の利息が極めて低く設定されている状態を指します。借り手にとっては有利な条件ですが、銀行にとっては、いくら多額の資金を貸し出したとしても、得られる利益が薄くなってしまうことを意味します。市場では銀行同士の顧客獲得競争も激化しており、利益率を維持することが非常に困難なフェーズに突入しているのです。
私自身の見解としましては、この数字は四国の地銀が「地域のインフラ」としての使命を果たすべく、厳しい収益環境下でも果敢に融資を実行している証左だと感じます。今後は、単に金利で競うだけでなく、事業承継の支援やコンサルティングといった、数字に表れない付加価値をいかに提供できるかが、各行の未来を左右する大きな鍵となるに違いありません。
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