広島県三原市に本拠を置く「八天堂」が、看板商品である「くりーむパン」を武器にアジア市場での快進撃を加速させています。同社は2019年内の設立を目標に、タイの現地食品メーカーとタッグを組み、合弁会社を立ち上げる方針を固めました。この合弁会社とは、複数の企業が出資し合って新しい組織を作る仕組みのことで、現地のニーズを素早く反映させる狙いがあります。
新会社を通じて、タイ国内のカフェや小売店へ向けた製造・卸売り事業を本格化させる計画です。これまでは日本国内での人気が際立っていた同社ですが、今後は東南アジアの食卓やティータイムでも、あのとろけるような食感のパンが日常的に楽しまれることになるでしょう。SNS上でも「あの八天堂がタイでも食べられるなんて驚き!」「お土産ではなく現地で買えるのは嬉しい」といった期待の声が広がっています。
また、中国や香港においてもフランチャイズチェーン、いわゆるFC展開を一段と強化する方針です。FC展開とは、本部がブランドの使用権や経営ノウハウを提供し、加盟店が対価を支払って店舗を運営するビジネスモデルを指します。2019年08月20日時点の発表によれば、2021年度末までには海外の店舗数を現在の約6倍にまで引き上げるという、極めて野心的な目標を掲げました。
専門家の視点で見れば、この急速な拡大戦略は、和製スイーツに対するアジア圏の根強い信頼と需要を背景にしていると考えられます。単なるパンの販売に留まらず、日本独自の「おもてなしの心」や「繊細な品質管理」をセットで輸出することで、他社との差別化を図っているのでしょう。地道な地域密着型の経営から、世界規模のブランドへと脱皮を図る同社の姿勢には、地方企業の新たな可能性を感じずにはいられません。
筆者としては、八天堂の「くりーむパン」が持つ唯一無二のクオリティが、文化の異なる海外でどこまで浸透するのか非常に注目しています。特に中国市場は競争が激しく、流行の移り変わりも早いですが、徹底した品質へのこだわりがあれば、一過性のブームに終わらず定着するはずです。広島発の小さなパン屋が、数年後にはアジアを代表するスイーツブランドとして君臨している未来が、今から楽しみでなりません。
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