2019年08月24日、ZOZOマリンスタジアムで行われた福岡ソフトバンクホークスとの熱戦は、千葉ロッテマリーンズの主砲、井上晴哉選手のバットが勝利を呼び込む形となりました。前日の試合に続き、この日も勝負どころで飛び出したアーチは、まさにチームの勢いを象徴する一打です。八回1死二塁という緊張感あふれる場面で、マウンドに立つのは相手のエース・千賀滉大投手でした。126球目、渾身の力を込めて投じられたボールを井上選手は見事に捉え、打球は美しい放物線を描いて右翼席へと吸い込まれていきました。
この値千金の本塁打について、井上選手は「4番の角中(勝也)さんがチャンスを作ってくれたので、自分もそれに負けない仕事をしようと思った」と、静かに闘志を燃やしていたことを明かしています。かつて自身が担っていた「4番」という打順への強いこだわりと、責任感が滲み出る力強いコメントです。SNS上でもファンからは「アジャの一振りは最高に頼りになる!」「エースの千賀から打つなんて本物だ」といった歓喜の声が溢れ返り、タイムラインはマリーンズファンの熱狂に包まれていました。
井上選手の活躍は八回の本塁打に留まりません。二回にも先制点へと繋がる鮮やかな安打を放っており、試合の主導権を握る上で極めて重要な役割を果たしました。彼の勝負強さが光った結果、チームは鬼門とされていたカードでの6年ぶりとなる勝ち越しを決定づけています。今回の殊勲打によって、チーム全体の士気が一層高まったことは間違いありません。ここ数年の苦い記憶を払拭するような、歴史的な1日になったと言えるでしょう。
ここで専門用語について少し触れておきましょう。野球で言われる「カードの勝ち越し」とは、特定の対戦相手との同一カード(通常は3連戦)において、勝利数が敗戦数を上回ることを指します。特に今回のように「6年ぶり」という数字が並ぶのは、それだけ苦手意識のあった相手に対して、完全に互角以上の戦いができている証拠なのです。また、相手投手の千賀選手が投じた「126球目」という数字からは、スタミナが削られ始めたエースの隙を見逃さなかった井上選手の集中力の高さが伺えます。
編集者としての私見を述べさせていただけるなら、井上選手の魅力は単なるパワーだけでなく、その「人間味あふれる意地」にあると感じます。打順の変更という選手にとっては複雑な心境になりがちな状況下で、腐ることなく「負けない仕事を」と言い切れる精神的な逞しさは、今のマリーンズに最も必要なピースではないでしょうか。一発で試合の流れを変えられる大砲が、ここぞの場面でエースを打ち崩す姿こそ、プロ野球観戦の醍醐味であり、ファンが球場に足を運ぶ最大の理由なのです。
コメント