2019年08月25日、柔道の聖地として知られる日本武道館にて、待望の世界選手権が華々しく幕を開けました。来年に控える東京五輪の前哨戦ということもあり、会場は異様な熱気に包まれています。大会初日から目の離せない展開が続き、畳の上では世界最高峰の技が次々と繰り出されました。特に注目を集めたのは、女子48キロ級の決勝戦における、渡名喜風南選手とダリア・ビロディド選手による宿命の再戦でしょう。
渡名喜選手は持ち前の粘り強さを武器に戦いましたが、ウクライナの若き至宝、18歳のビロディド選手の高い壁を崩すには至りませんでした。惜しくも「優勢負け」を喫し、2年連続の銀メダルという結果に終わっています。ここで言う「優勢」とは、投げ技や固め技で「技あり」などのポイントを奪われ、そのまま試合終了を迎える判定のことです。わずかな差が勝敗を分けるこの階級の厳しさを、改めて痛感させられる一戦だったのではないでしょうか。
波乱の男子60キロ級とSNSの熱狂
一方で、男子60キロ級では予想だにしない激震が走りました。3連覇を期待されていた絶対王者の高藤直寿選手が、準々決勝でシャラフジン・ルトフィラエフ選手を相手にまさかの「一本負け」を喫したのです。柔道における「一本」とは、技の威力や速さが完璧に決まり、その瞬間に勝利が確定する最高の結果を意味します。王者のまさかの陥落に、日本武道館の観客席からは悲鳴に近い驚きの声が上がりました。
高藤選手はその後、敗者から上位進出を目指す「敗者復活戦」を勝ち上がりましたが、3位決定戦で同胞の永山竜樹選手に敗れて5位という悔しい結果に終わっています。SNS上でもこの波乱は大きな話題となっており、「高藤選手の敗戦が信じられない」といった驚きの声が相次いでいました。同時に、優勝を飾ったジョージアのルフミ・チフビミアニ選手に対する称賛や、日本人対決を制した永山選手の健闘を称えるコメントで溢れかえっています。
私個人としては、今回の結果は決して日本代表の弱体化を意味するものではないと確信しております。男女の最軽量級で金メダルを逃すのは2015年大会以来ですが、これは世界全体のレベルが底上げされている証拠でしょう。銀メダルや銅メダルという誇らしい結果を糧に、選手たちがどのように進化を遂げるのかが楽しみでなりません。悔しさを力に変える日本代表のさらなる奮起に、今後も熱い視線を送り続けたいと思います。
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