クラシック界に突如として現れた若き異才、上野耕平さんをご存知でしょうか。2014年11月に開催された権威あるベルギーのアドルフ・サックス国際コンクールにおいて、日本人として最高位に並ぶ第2位に輝いた実力派です。弱冠27歳にして、アルトサックスの常識を塗り替え続ける彼が、待望の新作『ビヨンド・スタンダードVol.3』を2019年08月27日に発表し、いま大きな注目を集めています。
今回のアルバムで耳を引くのは、なんといっても彼の鋭敏なリズム感です。ジャズやポップスのイメージが強いサックスですが、彼の手にかかれば緻密なクラシック音楽も全く新しい響きへと生まれ変わるでしょう。特にバッハの名曲に大胆なアレンジを施した楽曲は、古風な形式美と現代的なスピード感が同居しており、聴く者を驚かせます。SNS上でも「サックスの概念が変わった」「テクニックが異次元」といった驚嘆の声が相次いでいます。
そもそもサックスという楽器は、管楽器の中では比較的歴史が新しく、オーケストラへの定着が遅かった背景があります。しかし、上野さんはその自由度の高さを逆手に取り、ジャンルの境界線を軽やかに飛び越えていく「越境者」としての姿を見せてくれました。自ら現代作曲家へ新曲を依頼(委嘱)することで、楽器の可能性を自らの手で切り拓く姿勢は、まさに新時代のアーティストと呼ぶに相応しいエネルギーに満ちあふれています。
私自身の視点から言わせていただければ、彼のような存在こそが今の音楽界に必要不可欠な刺激剤だと感じます。伝統を重んじながらも、既存の枠組みに囚われない革新性は、クラシック音楽をより身近なエンターテインメントへと昇華させてくれるはずです。一つの楽器を極めることで見えてくる広い世界を、彼はその一本のサックスを通じて私たちに提示してくれているのではないでしょうか。今後の更なる飛躍が楽しみでなりません。
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