アトピー性皮膚炎の「止まらないかゆみ」の正体を解明!九大らが発見した物質「ニューロキニンB」が拓く治療の未来

2019年08月27日、アトピー性皮膚炎に悩む多くの人々にとって希望の光となる画期的な研究成果が発表されました。九州大学の福井宣規主幹教授や富山大学の安東嗣修准教授らによる共同研究チームが、激しいかゆみを脳へと伝える「伝達物質」の正体を世界で初めて突き止めたのです。その物質の名は「ニューロキニンB」と呼ばれています。

アトピー性皮膚炎は、国内でも人口の約7%から15%が患っていると言われる非常に身近な疾患です。しかし、一度発症すると激しいかゆみが続き、眠れない夜を過ごしたり集中力が削がれたりと、生活の質(QOL)を著しく低下させてしまいます。これまでも様々な治療法が試みられてきましたが、既存の薬では十分な効果が得られないケースも少なくありませんでした。

SNS上では今回のニュースに対し、「早く薬になってほしい」「あのかゆみから解放される日が来るのか」といった切実な声や期待が次々と寄せられています。多くの患者が「かゆみのループ」に苦しんでいる現状があるからこそ、情報の出口を塞ぐという新しいアプローチに注目が集まっているのでしょう。私個人としても、この発見が単なる研究成果に留まらず、一刻も早く実用化されることを願ってやみません。

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脳へ「かゆい」を届けるルートを遮断する新戦略

研究チームが注目したのは、重症患者に共通して欠落している特定のタンパク質の働きでした。免疫系に深く関わるタンパク質を詳細に解析した結果、脊髄の中でもかゆみの情報が通過するポイントで、活発に動いている遺伝子を698種類も特定したのです。この膨大な候補の中から、かゆみの主犯格として浮上したのが「ニューロキニンB」を生成する遺伝子でした。

ニューロキニンBとは、体内で炎症が発生した際に作られる化学物質の一種です。これが脊髄において、かゆみの信号を中継する役割を果たしています。分かりやすく例えるなら、皮膚で起きた火事(炎症)の知らせを、脳という指令室に届ける「郵便屋」のような存在です。この郵便屋の動きを止めてしまえば、脳はかゆみを認識せずに済むという画期的な理論が導き出されました。

実際にマウスを用いた実験では、ニューロキニンBが働かないように処置した個体に炎症物質を投与しても、体をひっかく動作が劇的に減少することが確認されました。これまでの治療薬は「炎症そのもの」を抑えることに主眼が置かれてきましたが、今回の発見は「かゆみの伝達」そのものをブロックするという、全く異なる視点からの治療を可能にするでしょう。

今後は、このニューロキニンBの働きを妨げる「阻害薬」の開発が本格化する見通しです。原因不明のかゆみに翻弄されてきた医療現場にとって、この物質は極めて有力な創薬ターゲットになると期待されています。2019年08月27日のこの発表が、皮膚疾患治療の歴史を大きく塗り替えるターニングポイントになることは間違いありません。

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