ポリエステル原料が大幅下落!中国の生産過剰とナイロン原料の底打ちから見る合成繊維市場の最前線

世界の繊維市場が、いま大きな転換期を迎えています。2019年08月28日現在の状況を紐解くと、ポリエステル原料の価格が大幅に下落する一方で、ナイロン原料などには下げ止まりの兆しが見え始めました。この対照的な動きは、アパレル業界のみならず、私たちの生活資材のコストにも影響を及ぼす重要な変化と言えるでしょう。

特に注目すべきは、ポリエステル原料の動きです。最大の生産国である中国において、景気減速に伴う需要の冷え込みが顕著になっているにもかかわらず、現地の工場では生産設備の増強が続いています。需要と供給のバランスが崩れたことで、価格が押し下げられる結果となりました。SNS上でも「衣料品のコストダウンに繋がるのか」と期待する声がある一方、供給過剰による市場の混乱を懸念する投稿が相次いでいます。

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ナイロン原料「カプロラクタム」の反発と市場の底入れ感

その一方で、ナイロンの主要な原料である「カプロラクタム」には、ポジティブな変化が訪れました。2019年08月のアジア向け契約価格は、前月と比較して1トンあたり10ドル上昇し、1530ドルで決着しています。価格が上昇に転じるのは実に4カ月ぶりのことで、長らく続いてきた価格下落にようやく歯止めがかかった形です。

カプロラクタムとは、主にナイロン6という合成繊維を作るために欠かせない中間原料のことです。強靭で摩擦に強い特性を持つため、衣服だけでなくタイヤコードやエンジニアリングプラスチックなど、多岐にわたる産業用途で使用されています。これまでは在庫が積み上がり、価格が低迷していましたが、ここへ来てようやく在庫調整が進み、需給が引き締まってきたことが価格反転の背景にあります。

編集者の視点から申し上げますと、今回の価格動向は「製造業の生存戦略」が如実に現れた結果だと感じます。ポリエステルのように闇雲な増産を続けるのではなく、ナイロン市場のように需給のバランスを整える冷静な判断こそが、持続可能な産業構造には必要不可欠です。今後、この底入れ感が他の化学素材へ波及していくのか、世界経済の動向とともに注視していくべきでしょう。

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