広島県の観光シーンが、いま大きな転換期を迎えています。2019年03月より始動した「地域通訳案内士」制度は、訪日外国人観光客に対して有償でガイドを行う専門職を育成する画期的な取り組みです。制度開始から半年が経過した2019年09月04日現在、広島の魅力を世界に発信する「おもてなしのプロ」たちが続々と誕生しており、県内外からの注目が集まっているのです。
地域通訳案内士とは、特定の自治体やエリアにおいて、その土地の歴史や文化に特化した深い知識を持ち、外国語で案内を行うことができる資格者のことを指します。従来の全国通訳案内士とは異なり、より地域に根ざした「通の視点」でガイドができる点が最大の特徴でしょう。SNS上でも「広島のディープな魅力を英語で伝えてもらえるのは嬉しい」「地元の人ならではの視点に期待したい」といったポジティブな声が広がっています。
しかし、素晴らしい志を持ってデビューした第1期生たちですが、現在実際にガイドとして活動できているのは全体の約3割に留まっているのが現状です。研修や育成には注力してきたものの、資格を取得した後の「仕事の獲得」という面で大きな壁に直面していると言わざるを得ません。せっかくの高度なスキルが宝の持ち腐れになってしまうのは、地域経済の活性化を願う私たちにとっても非常にもどかしい事態ではないでしょうか。
旅行会社との架け橋に!広島県が打ち出す次なる支援策とは
この状況を打破するため、広島県はガイド案件の発掘や旅行会社との強力なマッチング体制の整備を急務と捉えています。具体的には、案内士と事業者が直接顔を合わせる交流イベントの開催などを検討している段階です。単に資格を与えるだけでなく、プロとして自立できる環境を整える県の姿勢には、インバウンド需要を本気で取り込もうとする強い意志が感じられます。需要と供給を繋ぐパイプ作りこそが、今の広島に最も求められている要素です。
私個人の見解としては、こうしたマッチングの強化は、単なる雇用創出以上の価値があると考えています。ガイドが安定して活動できれば、観光客の満足度が向上し、リピーターの増加やSNSでの口コミ拡散が期待できるからです。広島には平和記念公園や宮島以外にも、隠れた名所が数多く存在します。それらを「物語」として語れる案内士が増えることは、広島ブランドを世界に浸透させるための最強の武器になるに違いありません。
今後、県によるマッチング支援が本格化することで、2019年後半から2020年にかけて広島の観光スタイルはより多様化していくはずです。デジタルツールが普及した現代だからこそ、人と人が触れ合う「人間味のあるガイド」の価値は相対的に高まっています。地元の熱意ある案内士たちが、世界中の旅行者と笑顔で握手を交わす日が日常になるよう、官民一体となった継続的なバックアップ体制の構築を期待しましょう。
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