2019年09月06日現在、日本から欧米諸国へ向かう航空貨物の運賃相場に大きな変化が訪れています。荷主と航空会社がその都度契約を結ぶ「スポット運賃」が下落に転じており、これまで堅調だった物流の勢いに陰りが見え始めました。特に主要な荷目であった自動車部品や産業用機械の輸送需要が一段落したことで、貨物スペースの供給に対して需要が追いつかない、いわゆる需給の緩みが鮮明になっています。
航空貨物のスポット運賃とは、定期的な契約ではなく、荷動きに合わせて時価で取引される料金のことです。この指標は世界の景況感を敏感に反映するため、今回の値下がりは経済の減速を示唆する重要なサインと言えるでしょう。SNS上では「一時期の運賃高騰が嘘のようだ」「物流コストが下がるのは助かるが、景気後退が心配」といった、コスト減を歓迎しつつも先行きの不透明感を不安視する声が上がっています。
さらに深刻な影を落としているのが、長期化する米中貿易摩擦の存在です。中国から米国へと運ばれる貨物量が大幅に減少しており、アジア全体の物流ネットワークに停滞感をもたらしています。世界的なサプライチェーンが複雑に絡み合う現代において、大国間の対立は日本発の貨物動静にも無視できない波及効果を及ぼしているのが現状です。多くの関係者は、今後もしばらくは荷動きの鈍い状態が継続すると予測しています。
私自身の見解としましては、今回の運賃下落は単なる需給調整に留まらず、製造業全体の構造的な変化を予兆しているように感じます。スピードを重視する航空輸送から、よりコストの低い海上輸送への切り替えが進んでいる可能性も否定できません。物流の停滞は実体経済の冷え込みを直結させるリスクがあるため、企業はこれまで以上に柔軟な在庫管理と、特定の国に依存しない柔軟な物流網の再構築を迫られているのではないでしょうか。
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