自動車業界に「100年に一度」と言われる変革の波が押し寄せる中、ステアリングシステムで世界トップクラスのシェアを誇るジェイテクトが、次世代モビリティ社会の実現に向けた大きな一歩を踏み出しました。同社は愛知県刈谷市にある「東刈谷事業場」において、自動運転に対応した電動パワーステアリング(EPS)のソフトウェア開発を本格的に始動させています。この動きは、まさにクルマの「曲がる」という基本性能をデジタル技術で再定義する試みと言えるでしょう。
これまで同社のソフトウェア開発は、愛知県岡崎市の花園事業場技術開発センターが中心となって担ってきました。しかし、今回新たに拠点を分散・拡大させることで、多様化する自動車メーカー各社の細かなニーズに対して、より迅速かつ柔軟に応えられる体制が整ったのです。開発の現場では、2019年09月11日現在、20名から30名ほどの技術者がプロジェクトに従事していますが、今後はその規模を飛躍的に拡大させる方針が示されています。
具体的には、2023年12月31日までに開発エンジニアを100名規模まで増員する計画を立てており、採用と育成に全力を注ぐ構えです。ここで注目される「CASE」という言葉は、コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化の頭文字を取ったもので、現在の自動車産業における最重要キーワードとなっています。自動運転を実現するためには、路面状況や車両の状態を瞬時に判断し、正確にタイヤを制御する高度なソフトウェア技術が欠かせません。
SNS上では、このニュースに対して「トヨタグループの底力を感じる」「自動運転時代のハンドルはどう進化するのか楽しみだ」といった期待の声が数多く寄せられており、業界内外からの注目度の高さがうかがえます。電動パワーステアリングは、モーターの力でハンドル操作を補助する装置ですが、自動運転においてはドライバーが手を触れていなくても安全に走行を維持するための「頭脳」としての役割を、より強く求められることになるはずです。
編集部としては、このようにハードウェアメーカーがソフトウェア開発へリソースを集中させる流れは、これからの製造業が生き残るための必須条件であると考えています。単に「良い機械」を作るだけでなく、それを制御するアルゴリズムの精度こそが、製品の付加価値を決定づける時代が到来しました。ジェイテクトが掲げる強気な増員計画からは、世界中の競合他社に先駆けて自動運転市場の主導権を握ろうとする、並々ならぬ覚悟が感じられます。
今後、東刈谷事業場が新たな技術革新の拠点となり、世界を驚かせるような最先端の制御システムが生み出されることを期待せずにはいられません。自動車メーカー各社が独自の自動運転アルゴリズムを模索する中で、ジェイテクトが提供する高精度なステアリング技術は、安心・安全な自動走行を支える盤石な基盤となるでしょう。私たちユーザーの手元に、その進化の成果が届く日はそう遠くないのかもしれません。
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