2017年に大分県宇佐市の認定こども園「四日市こども園」で発生し、地域社会に大きな衝撃を与えた刃物侵入事件について、新たな司法判断が示されました。刃物を持って園に侵入し、罪のない小学生や職員に怪我を負わせたとして傷害などの罪に問われていた射場健太被告に対し、福岡高等裁判所は2019年09月11日、懲役4年とした一審判決を支持する判決を言い渡しています。
この裁判における最大の焦点は、犯行時における被告の精神状態がどのようなものであったかという点にありました。弁護側は、被告が抱える特性が大きく影響していたとして一審の量刑は重すぎると主張しましたが、伊名波宏仁裁判長はこれを退けています。判決では、被告が「アスペルガー症候群」という発達障害の一種を抱えていた事実を認めつつも、その責任を完全に免れるほどの状態ではなかったと結論付けられました。
アスペルガー症候群とは、対人関係の構築に困難が生じたり、特定の物事に対して強いこだわりを持ったりする先天的な脳の機能障害を指します。裁判所は、この特性が犯行に一定の影響を与えたとする一審の判断を不合理ではないと認めました。しかし、善悪を判断する能力が著しく減退していた「心神耗弱(しんしんこうじゃく)」の状態には至っていなかったと、極めて厳格な判断を下したのです。
SNS上ではこの判決に対し、「子供たちの心の傷を考えればもっと重い罰が必要ではないか」という悲痛な声や、「障害への理解と社会防衛のバランスはどうあるべきか」といった慎重な議論が飛び交っています。やはり幼い命が守られるべき場所で起きた惨劇だけに、世間の関心は依然として高く、安全確保への切実な願いが反映されているようです。誰もが安心して過ごせる場所が脅かされたことへの恐怖は、簡単には消え去るものではありません。
私個人としては、今回の判決は加害者の特性に寄り添いつつも、社会の法秩序と被害者の心情を重んじた妥当な着地点だと感じています。もちろん障害による苦しみは軽視できませんが、それをもって暴力を正当化することは決して許されません。大切なのは、判決の先にある再発防止策ではないでしょうか。こうした痛ましい事件が繰り返されないよう、防犯体制の強化と、孤立する方への適切な支援の両輪が機能することを切に願って止みません。
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