イグ・ノーベル賞受賞!5歳児30人の唾液量を徹底調査した明海大・渡部教授のユニークな研究成果

思わずクスッとしてしまうような、ユーモアあふれる独創的な科学研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」。2019年09月12日、アメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジにある名門ハーバード大学にて授賞式が執り行われ、日本からまた一つ輝かしいニュースが飛び込んできました。明海大保健医療学部の渡部茂教授らによる研究チームが、見事に「化学賞」を射止めたのです。これで日本人の受賞は13年連続という快挙を成し遂げました。

今回の受賞対象となったのは、渡部教授が1995年に執筆した、子どもの唾液に関する論文です。当時はまだ北海道医療大学で教鞭を執っていた頃の成果だそうですが、研究の内容が実に個性的で驚かされます。なんと、5歳の男女30人を対象に、1日に分泌される唾液の総量を地道に測定するという試みでした。現在、SNS上では「地道すぎる努力に脱帽」「研究の執念がすごい」といった称賛の声が相次ぎ、大きな反響を呼んでいます。

そもそも、唾液(だえき)とは口の中に分泌される消化液のことで、食べ物の消化を助けたり、口内を清潔に保ったりする大切な役割を担っています。しかし、1995年当時は成人のデータこそあれど、元気いっぱいに動き回る子どもの食事中における正確な数値は解明されていませんでした。渡部教授は、この未知の領域に挑むべく、ごはんやソーセージ、さらには漬物といった6種類の食品を子どもたちに実際に噛んでもらう実験を敢行したのです。

実験の手法も非常にユニークで、子どもたちが飲み込む直前の食べ物を一度吐き出してもらい、その重量を細かく計測するというものでした。これを2日間にわたって繰り返し、食事以外の時間も含めて計算した結果、5歳児は1日に合計で約500ミリリットルもの唾液を出しているという推計値が導き出されました。ペットボトル1本分もの量が小さな体から生み出されている事実は、多くの人々にとって新鮮な驚きを与えているに違いありません。

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情熱が支える科学の発展

筆者の個人的な見解としては、一見すると滑稽に思えるような調査の裏側にこそ、科学の真髄が隠されていると感じます。子どもの食事風景を観察し、吐き出されたものを計量し続けるという作業は、並大抵の根気では務まりません。こうした「誰もやらないけれど、誰かがやらなければならなかった」細かなデータの積み重ねこそが、医学や歯学の基礎を支える重要な土台となるのではないでしょうか。

イグ・ノーベル賞は「人々を笑わせ、そして考えさせる」ことを理念としています。渡部教授の受賞は、学問が決して堅苦しい場所にあるのではなく、私たちの日常や身体への純粋な好奇心から出発していることを改めて教えてくれました。500ミリリットルという具体的な数字が示されたことで、子どもたちの成長を支える体の仕組みがより身近に感じられます。これからも、日本から世界を驚かせるような自由な研究が生まれることを期待せずにはいられません。

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