大相撲の「鉄人」嘉風が引退へ。元関脇・中村親方として刻む新たな相撲道とSNSの惜別

大相撲界に衝撃が走りました。日本相撲協会は2019年09月12日、多くのファンに愛された元関脇の嘉風(37歳)が現役を退き、年寄「中村」を襲名したことを発表しました。ベテランの星として土俵を沸かせてきた嘉風関ですが、2019年06月の合宿中に負傷した右膝の状態が思わしくなく、復活の道を模索しつつも最終的にこの決断を下したようです。

今回の引退劇には、抗えない怪我の苦悩が隠されています。嘉風関は2019年07月の名古屋場所を全休し、再起を懸けた今場所も初日から土俵に上がることができませんでした。師匠である尾車親方のもとへは、2019年09月11日に本人から引退の決意を伝える電話が入ったといいます。次場所での幕下陥落が確実視される中、肉体の限界を感じ取ったのでしょう。

年寄(としより)とは、引退した力士が親方として日本相撲協会に残り、後進の育成にあたるための資格を指します。嘉風関は今後「中村親方」として、尾車部屋で若手の指導に専念する予定です。土俵で見せたあの鋭い踏み込みや、最後まで諦めない粘り強い相撲哲学が、次世代の力士たちにどのように継承されていくのか、ファンならずとも期待が膨らむところです。

SNS上では、この突然の発表に悲しみの声が溢れ返っています。「嘉風のいない本場所は寂しすぎる」「どんなに格上の相手でも真っ向から立ち向かう姿に勇気をもらった」といった熱いメッセージが次々と投稿されました。特に、体格差を跳ね返して金星を奪い取る姿に魅了された人々は多く、ネット上はまさに「嘉風ロス」とも言える切ない空気に包まれています。

2004年01月の初土俵以来、嘉風関が歩んできた道は栄光に満ちていました。2006年01月の新入幕から着実に実力をつけ、2016年01月にはついに新関脇へと昇進を果たします。通算10回にも及ぶ三賞受賞歴や、横綱を倒した証である8個の「金星」は、彼がいかに勝負強い実力者であったかを物語っているのではないでしょうか。

編集者としての私見ですが、嘉風関の魅力は数字以上の「記憶に残る相撲」にありました。30代後半を迎えてもなお、若手以上に激しく動くスピード感溢れる攻防は、まさに職人芸でした。怪我という不本意な形での引退は非常に残念ですが、彼が土俵に刻んだ「真っ向勝負」の精神は、中村親方としての新たな指導の中でも決して色褪せることはないでしょう。

通算649勝を挙げた鉄人の物語は、一度ここで幕を閉じます。2019年09月16日には正式な引退会見が開かれる予定となっており、そこで本人の口からどのような言葉が語られるのか注目が集まります。長きにわたり相撲界を牽引してきた功労者に対し、今は心からの敬意と「お疲れ様でした」という感謝の言葉を贈りたいと思います。

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