2019年10月4日、ラグビーワールドカップ(W杯)の熱狂に包まれる大阪で、日本の伝統的な「銭湯」を外国人観光客に体験してもらうという野心的なプロジェクトが産声を上げました。大阪府公衆浴場業生活衛生同業組合城東鶴見支部と大阪府森林組合がタッグを組み、単なる入浴にとどまらない「銭湯×文化体験」という新しい観光スタイルを提案しているのです。
本プロジェクトの第1弾として実施されるこの日は、大阪市内の2つの銭湯を舞台に、英語で楽しむ落語体験などを含む3つの魅力的なコースが用意されました。参加を見込む約35人の外国の方々には、大阪産のヒノキの間伐材で作られた特別な「手形」が配られます。この手形は、周辺の飲食店で割引を受けられるパスポートのような役割を果たし、地域全体でゲストを歓迎する仕組みとなっています。
減少する街の社交場「銭湯」を観光の起爆剤に!
舞台の一つとなるユートピア白玉温泉の北出守社長は、大阪府内の銭湯が1970年ごろのピーク時から約5分の1にあたる500軒ほどまで減少した現状を憂いています。かつては地域住民の交流の拠点であった銭湯を、今度は「日本の文化を世界に発信する拠点」へと変貌させたいという、熱い想いが今回のプロジェクトの原動力となっているのでしょう。
SNS上では「裸の付き合いという日本独特の文化は、外国人にとって衝撃的かつ新鮮なはず」「地域の飲食店と連携するのは素晴らしいアイデアだ」といった、期待を寄せる声が数多く上がっています。地域密着型の施設が観光客を呼び込むことで、シャッター通り化した商店街に再び活気が戻ることを期待する声も少なくありません。
今後は「一般社団法人銭湯ワンダーランド」を設立し、スマートフォンの予約決済システム構築や、2021年に控える「ワールドマスターズゲームズ2021関西」を見据えた広域観光の展開も計画されています。個人的には、IT技術で利便性を高めつつ、銭湯特有の温かみのあるアナログな体験を維持するこの試みは、非常に現代的で賢明な選択だと感じます。
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