2019年10月09日、私たちの暮らしを劇的に変える「スマートシティ」の実現に向けた大きな一歩が踏み出されました。政府は、人工知能(AI)や膨大な情報を扱うビッグデータを駆使した次世代都市の構築において、国際的なルール作りを主導する方針を固めています。そのキックオフとなる国際会議が、本日より横浜の地で華やかに幕を開けました。
今回の会議は「グローバル・スマートシティ・アライアンス」と銘打たれ、内閣府と世界経済フォーラムが共同で主催しています。世界経済フォーラムといえば、世界中の政治や経済のリーダーが集う「ダボス会議」の主催団体として有名ですね。そんな強力なパートナーシップのもと、2020年11月にサウジアラビアで開催予定のG20サミットに向け、具体的な運用指針を策定していく計画です。
データの自由な流通とプライバシー保護の「黄金比」を目指して
スマートシティとは、IT技術を街全体に取り入れることで、渋滞の解消やエネルギーの効率化を図り、住民の利便性を高めた都市のことです。例えば、交通量のデータをリアルタイムで解析すれば、最適な信号制御が可能になります。しかし、こうした便利な社会を作るためには、膨大なパーソナルデータの活用が欠かせません。そこで重要になるのが、データの自由な流通と個人のプライバシー保護をいかに両立させるかというルールです。
これまでは、公的機関や各自治体がそれぞれ独自にデータを保有し、外部に出さない「データの囲い込み」が課題となっていました。せっかくの貴重な情報も、バラバラに管理されていては真の価値を発揮できません。今後は都市の垣根を越えて情報を共有し、共通の課題を克服する連携体制が求められています。SNS上でも「便利になるのは嬉しいけれど、監視社会にならないか心配」という声が上がっており、信頼できる国際ルールの策定は急務と言えるでしょう。
編集者の視点から言えば、日本がこの分野でリーダーシップを取る意義は非常に大きいと感じます。技術力だけでなく、倫理観や繊細な配慮が求められるデータ保護の領域において、日本の調停力は世界に貢献できるはずです。単なる技術革新に留まらず、市民一人ひとりが「安心して便利さを享受できる」社会のデザインに期待したいところです。
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