移動の自由を支える電動車椅子に、大きな安心が加わろうとしています。スズキは2019年10月08日、高齢者向けに提供している電動車椅子「セニアカー」を活用した新たな見守りサービスの実証実験を開始することを明らかにしました。この先進的な取り組みはNTTコミュニケーションズとタッグを組んで行われるもので、テクノロジーの力で家族の絆をより強固なものにする可能性を秘めています。
セニアカーは歩行に不安を感じる方々にとって大切な足代わりですが、外出先での転倒や予期せぬトラブルは常に心配の種でした。そこで今回の実験では、車両に搭載されたGPS(全地球測位システム)と車載センサーがフル活用されます。GPSとは人工衛星からの電波を受け取り、現在地を特定する便利な技術のことです。これらを駆使して、利用者が今どこにいるのか、車体がどのような状態にあるのかをリアルタイムで把握していくのです。
センサーが特に注視するのは、車体の「傾き」に関するデータです。もしセニアカーが縁石に乗り上げたり、不運にも転倒してしまったりして異常な角度を検知した際には、システムが即座に反応します。あらかじめ登録しておいたご家族や関係者のもとへ、異常事態を知らせるメールが自動で送信される仕組みとなっており、離れた場所からでも迅速な対応を可能にしました。
SNSなどのインターネット上では、この発表を受けて「親が一人で出かける際に不安だったので、こうした機能は本当に助かる」といった共感の声や、「電動車椅子もコネクテッドカーのような進化を遂げている」という技術革新への驚きが広がっています。コネクテッドカーとはインターネットに常時接続された自動車を指しますが、その考え方が福祉の世界にも浸透し始めていることが伺えるでしょう。
編集者としての私見ですが、このサービスは単なる事故通知ツールに留まらない価値があると感じています。見守られているという安心感は、高齢者の外出頻度を高め、健康寿命を延ばすポジティブな循環を生むのではないでしょうか。テクノロジーを冷たい機械の進化として捉えるのではなく、誰かを思う「優しさ」を形にする手段として活用するスズキの姿勢は、超高齢社会における企業努力の鑑と言えそうです。
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