米中ハイテク冷戦が激化!2019年10月、トランプ政権が中国「監視技術」企業へ放った制裁の衝撃

2019年10月07日、世界を揺るがすニュースがワシントンから飛び込んできました。トランプ米政権は、監視カメラで世界シェア首位を誇るハイクビジョンを含む中国の28団体・企業に対し、事実上の禁輸措置を決定したのです。この動きは、10日から始まる米中閣僚級貿易協議を直前に控えたタイミングであり、単なる経済摩擦を超えた「人権問題」という強力なカードを突きつけた形となります。

今回の制裁対象には、監視カメラ大手のダーファ・テクノロジーや、画像認識AIで世界をリードするセンスタイム、メグビーといった注目のハイテク企業8社が含まれています。SNS上では「ついにAI技術まで政治の道具になったか」「米中のデカップリング(切り離し)が加速する」といった懸念の声が広がっており、技術の進歩が国家間の対立に直結する現代の厳しさを物語っているようです。

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「監視社会」を支えるAI技術と人権の相克

米国が今回、制裁の根拠として挙げたのは、新疆ウイグル自治区における少数民族への弾圧です。中国国内には2億台以上の監視カメラが設置されていると言われ、これに高度な「顔認識技術」を組み合わせることで、特定の個人を瞬時に特定するシステムが運用されています。顔認識技術とは、AIが人間の目を超える精度で目・鼻・口の位置などを分析し、個人を識別する最先端のIT技術を指します。

ペンス副大統領は、100万人以上のイスラム教徒が強制収容所に投獄されている現状を非難し、そこに自国の技術が悪用されることを断固拒否する姿勢を鮮明にしました。筆者の視点から言えば、技術そのものに罪はありませんが、それが人権侵害のツールとして機能する場合、民主主義国家として「NO」を突きつけるのは当然の帰結かもしれません。しかし、これが貿易交渉の「武器」として使われている側面も否定できないでしょう。

日本企業への波紋と複雑に絡み合う政治の思惑

今回の措置は、日本国内のビジネスシーンにも影を落としています。例えば、ホンダは自動運転技術の開発においてセンスタイムと提携しており、直接的な制裁対象ではなくとも、将来的な米国市場への展開に不透明感が漂い始めました。一方、制裁を受けた中国企業側は「影響は限定的」と強気の姿勢を崩していません。2019年10月08日、ハイクビジョン幹部はSNSでサービスの継続を宣言し、自力更生への自信をのぞかせました。

さらに興味深いのは、この制裁の裏に透けて見えるトランプ大統領の政治的思惑です。実は、制裁対象のメグビーには、大統領選のライバルであるバイデン氏の次男が関与する投資会社が出資しています。自らの再選を狙うトランプ氏が、対中圧力と同時に政敵を揺さぶる「くせ球」を放ったと見る向きも少なくありません。2019年10月09日付で発動されるこの輸出規制リスト(EL)は、米中対立をより深く、複雑な迷宮へと誘うことになりそうです。

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