アパレル大手のレナウンが、2019年08月23日に発表していた希望退職の募集を一旦白紙に戻すと、2019年10月15日に公表しました。当初は40歳以上の社員を対象に、全従業員の約2割に相当する150人規模の人員削減を予定していたものの、業界を取り巻く環境が予想を上回るスピードで激変していることが背景にあります。
このニュースに対し、SNS上では「リストラ中止は朗報なのか、それともさらなるリストラの予兆なのか」といった不安の声や、「百貨店依存モデルの限界がついに来た」という厳しい指摘が相次いでいます。ブランドの存続を懸念するファンも多く、名門企業の動向に熱い視線が注がれている状況でしょう。
主力販路の崩壊と再建計画の抜本的な見直し
募集を中止した最大の理由は、そごう・西武といった主要な取引先である百貨店側で、店舗の閉鎖計画が次々と明らかになったためです。アパレル企業にとっての「販路」とは、商品を顧客に届けるためのルートを指しますが、その土台が揺らいだことで、どのブランドを継続し、どの店を撤退させるかという戦略を根本から練り直す必要に迫られました。
実際に、そごう・西武は国内5店舗の閉鎖を決め、高島屋も3店舗の閉鎖や事業譲渡を表明するなど、地方や郊外を中心に百貨店の縮小傾向は止まりません。レナウンも当初は国内約2000店舗のうち7%程度の閉鎖を掲げていましたが、この数字も上方修正される可能性が極めて高く、人員削減の規模が逆に拡大するリスクも孕んでいるのです。
一方で、オンワードホールディングスが国内外で600店舗という大規模な閉店を打ち出したことで、空いた売り場を守るために百貨店側から出店継続を強く要請されるケースも出ているようです。人手が足りなくなる事態も想定されるため、闇雲なリストラではなく「適正な人数」を見極めるための、まさに薄氷を踏むような判断を強いられています。
編集者の視点から言えば、これは単なる一企業の経営問題ではなく、日本独自の「百貨店アパレル文化」が終焉を迎えつつある象徴的な出来事だと感じます。これまでは良質な売り場さえ確保できれば売れた時代でしたが、今後は店舗数に頼らない、デジタル活用や独自のブランド価値構築が不可欠になるのは間違いありません。
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