【黒谷】2019年8月期決算は最終赤字へ、米中貿易摩擦による銅価格下落の影響と今後の展望

富山県に拠点を置き、非鉄金属や銅製品の製造販売で業界を牽引する株式会社黒谷が、2019年10月24日に2019年8月期の連結決算を公表しました。発表された内容によると、最終的な損益は2億3000万円の赤字に転落しています。前年同期が4億6200万円の黒字であったことを踏まえると、非常に厳しい局面を迎えたと言えるでしょう。

この業績悪化の背景には、世界経済を揺るがしている「米中貿易摩擦」の激化が深く関わっています。アメリカと中国の間で繰り広げられる関税合戦や対立は、実体経済だけでなく資源価格にも大きな影を落としました。特に黒谷が主力とする「銅」の市場価格が大幅に下落したことが、今回の赤字の直接的な引き金となったのです。

ここで「利ざや」という言葉について簡単に解説しておきましょう。これは売値と買値の差額から得られる利益を指します。黒谷は銅スクラップを回収して製錬会社などに販売していますが、銅の相場が下がると、仕入れ値に対して売値が十分に確保できなくなります。この利ざやの縮小が、同社の収益構造を圧迫する結果となりました。

さらに追い打ちをかけたのが「在庫評価損」の計上です。これは、企業が保有している在庫の価値が、購入時よりも時価が下がった際に、その差額を損失として計上することを言います。相場の急落によって、倉庫に眠る資産が帳簿上の数字を下回ってしまったため、会計上の損失を避けられなかったというわけです。

ネット上のSNSでも、このニュースに対して「非鉄金属業界の冷え込みを実感する」といった声や、「世界情勢がダイレクトに地方の優良企業にまで影響する怖さを感じる」という驚きの反応が広がっています。投資家たちの間では、今後の銅価格の回復と、米中関係の進展が同社の再起に不可欠であるとの見方が強まっています。

編集者としての私見ですが、今回の赤字は黒谷自体の経営努力不足というよりは、外部環境の激変による不可抗力な側面が強いと感じます。しかし、資源を扱うビジネスにおいて相場変動は常に付きまとうリスクです。今後は特定の市場に依存しないポートフォリオの構築や、コスト削減による体質強化が、この荒波を乗り越える鍵になるのではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました