がん治療の世界に、今まさに革命の風が吹いています。2019年10月25日現在、日本の研究機関や大学では、強力な「アルファ線」を放出する物質を体内に注入し、全身に広がったがん細胞を直接攻撃する画期的な研究が加速しているのです。
この治療法の最大の特徴は、従来の外科手術や外部放射線治療では対処が難しかった「全身転移」に対抗できる点にあります。SNS上でも「末期がんの希望になるのではないか」といった期待の声が上がっており、多くの注目を集めている分野なのです。
細胞レベルの精密射撃を実現するアルファ線の威力
アルファ線とは、放射性物質から放出される粒子線のひとつです。特筆すべきはその「射程距離」の短さで、わずか50から100マイクロメートル、つまり細胞数個分ほどしか届きません。この性質が、治療において大きなメリットをもたらします。
がん細胞だけに付着する「抗体」とアルファ線を出す物質を組み合わせることで、周囲の正常な組織を傷つけることなく、標的のみをピンポイントで破壊できるのです。これはまさに、体内で行われる「精密射撃」と呼ぶにふさわしい技術でしょう。
さらに、現在リンパ腫の治療などで使われている「ベータ線」と比較して、アルファ線は200倍から300倍もの破壊エネルギーを誇ります。がん細胞の設計図であるDNAを直接切断するため、非常に高い殺傷能力を期待できるのが魅力です。
アスタチン211が切り拓く難治性がんへの挑戦
量子科学技術研究開発機構では、巨大な加速器を用いて「アスタチン211」という物質を生成しています。2019年10月25日の発表によれば、これを胃がん細胞が転移したマウスに投与したところ、劇的に増殖を抑制することに成功しました。
大阪大学の研究グループも、がん細胞の栄養取り込み口である「LAT1」という分子を標的にした研究を進めています。膵臓がんを移植したマウス実験では、治療を行わない場合に比べて、がんの体積を20分の1にまで抑え込む驚異的な結果を出しました。
また、がん細胞そのものだけでなく、それを支える「間質(かんしつ)」と呼ばれる組織を狙うアプローチも始まっています。間質とはがんの周囲にある足場のような組織ですが、ここを叩くことで食道がんや肺がんなど、幅広い種類のがんへの応用が見込まれています。
国産技術の確立と安定供給が未来への鍵
非常に有望なアルファ線治療ですが、実用化には「安定供給」という大きな壁が立ちはだかっています。例えばアスタチン211は寿命が短く、製造拠点から遠い病院へ運ぶ間に、放射線を出す力が弱まってしまうという弱点があるのです。
現在、この分野では欧米諸国が先行しており、日本が独自の供給網と技術を確立できなければ、将来的に高額な海外製医薬品に頼らざるを得なくなります。患者さんにいち早く届けるためにも、国内インフラの整備が急務と言えるでしょう。
個人的には、この技術が「がん=不治の病」という常識を塗り替える決定打になると確信しています。副作用を抑えつつ全身のがんを叩けるこの治療法が、一日も早く臨床の現場で普及することを願ってやみません。
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