高級金属塗装のプロ集団・野村アーテックが描く台湾・東南アジア戦略!活況なビル建設需要を捉える

茨城県水戸市に金属塗装の拠点を置く野村アーテック(東京・品川)は、今、海の向こう、台湾や東南アジアへと熱い視線を注いでいます。その第一歩として、2019年3月には台湾の台北市内に営業の足がかりとなる事務所を新たに開設されました。現地では、商業施設を始めとするビル建設が大変活発な状況にあり、同社が培ってきたエレベーター向けの高品質な塗装技術の需要が大きく伸びると見込まれているためです。

国内市場が成熟し頭打ちとなる傾向が見られる中、同社は今回の海外展開を本格化することで、売上高を安定的に成長させたいという明確な狙いを持っていらっしゃいます。野村アーテックは1940年に東京都内で創業されて以来、長きにわたり技術を磨き続けてきました。野村英起社長がおっしゃるように、「高級感のある特殊塗装」を施すことができる高い技術力が、同社の大きな強みと言えるでしょう。

彼らが誇る技術には、素材に金箔を施したり、特殊な印刷で模様をつけたりする装飾技法が含まれます。さらに、鏡のような光沢となめらかさを生み出す「鏡面仕上げ」(研磨などにより表面を極限まで滑らかにし、光を反射させる加工)といった、高度な技術も蓄積されてきました。これらの塗装作業は、手作業の繊細さと機械の正確さを組み合わせて、水戸市の工場で一つひとつ丁寧に行われています。

その技術力は、日立ビルシステム、東芝エレベータ、三菱電機といった国内の大手エレベーターメーカーからも信頼を勝ち得ています。納入実績としては、横浜のランドマークタワーや東京・中央区のGINZA SIXなど、日本を代表する著名な建築物にも数多く貢献されています。しかしながら、野村社長が「国内市場は飽和状態に近づいてきた」と現状を分析されるように、今後は世界へと活躍の場を広げ、新たな需要を開拓していくという方針を打ち出されました。

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躍進の鍵となるアジアの活況と「高級品」への需要

海外展開の重要な第一弾として、2019年3月に台湾・台北に事務所が開設されました。台湾を始めとするアジア地域は、まさにビル建設ラッシュの真っただ中にあります。同社が特に注目されているのは、エレベーター関連市場において「高級品に対する需要が高まっている」という点です。これは、単なる移動手段としてだけでなく、建物の顔となるエレベーターにも高いデザイン性や質感を求める富裕層や商業施設が増えていることを示しており、同社の得意とする特殊塗装の技術がまさに活きる商機と捉えられているのです。

台北事務所には、当面、常駐の駐在員は置かず、日本のスタッフが出張ベースで現地入りし、情報収集の拠点として機能させる予定です。台湾特有のデザイン性の傾向や、現地の顧客が求めるニーズなどを丁寧に汲み取ることが、今後の戦略において非常に重要になるでしょう。素材への塗装や加工自体は、これまで通り日本の水戸市の工場で手掛けられますが、今後は現地の展示会へ積極的に出展するなど、卓越した技術力を効果的にアピールしていく構えです。

私見ですが、日本の「職人技」と、それを支える「品質管理」の確かさは、世界でもトップクラスであり、アジアの富裕層が求める「高級感」という価値観に間違いなく響くはずです。国内で培った技術を、成長著しいアジア市場に投入する戦略は、まさに時宜を得た判断であると言えるでしょう。また、現地の情報収集を日本から出張で行う形は、初動としてはリスクを抑えつつ、確かな手応えを得るための賢明なアプローチだと感じています。

野村アーテックは、この台湾を重要な足がかりとして、将来的には周辺の東南アジア諸国へと営業地域を拡大していきたいという大きな構想も持っていらっしゃいます。同社の年間の売上高は現在およそ10億円規模ですが、その大半は国内が占めています。同社は、今後数年間のうちに、海外売上高を年間2億円程度まで引き上げたいという、意欲的な目標を掲げておられます。日本の優れた技術が、アジアの活況を背景に、新たな成長を遂げられるのか、今後の展開に大いに期待できるでしょう。

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