大阪の賑やかな都会の喧騒を忘れさせてくれる、まさに「都会のオアシス」と呼ぶにふさわしい場所をご存知でしょうか。2019年10月23日現在、天王寺動物園にほど近い一角で、歴史と現代が美しく融合した「慶沢園(けいたくえん)」が大きな注目を集めています。ここは大阪市指定文化財にも選ばれている本格的な日本庭園で、かつての豪商・住友家の本邸庭園として築かれた歴史ある空間です。
この庭園を手掛けたのは、近代日本庭園の先駆者として名高い七代目・小川治兵衛です。「植治(うえじ)」の通称で知られる彼は、自然の景観を巧みに取り入れる名手として、京都の無鄰菴など数々の名庭を残しました。慶沢園もその傑作の一つであり、池の周囲を歩きながら景色を鑑賞する「回遊式(かいゆうしき)」というスタイルが採用されています。中心に配された池の中島には見事な黒松が鎮座しており、その凛とした佇まいに心洗われることでしょう。
SNS上では、伝統的な和の風景と背後にそびえ立つ超高層ビル「あべのハルカス」を一枚のフレームに収めた写真が「新旧の対比が素晴らしい」と大きな反響を呼んでいます。特に風のない穏やかな日には、鏡のような水面に近代的な建築物が映り込み、幻想的な逆さ富士ならぬ「逆さハルカス」を楽しむことが可能です。この独特な景観は、カメラを愛好する人々や、日本ならではの風情を求める訪日観光客の間で、今まさに屈指のフォトジェニック・スポットとして話題となっています。
私個人の見解としては、単に歴史を保存するだけでなく、周囲のビル群すらも庭の一部として取り込んでしまうかのような、現代的な借景(しゃっけい)の在り方に深い感動を覚えます。借景とは、庭の外にある山や建物などを風景の一部として利用する造園技法のことですが、慶沢園はまさに令和の時代における新しい庭園の楽しみ方を提示しているのではないでしょうか。
2019年10月23日の穏やかな秋空の下、この慶沢園を訪れれば、時を越えた職人の技と現代の活気が溶け合う不思議な感覚を味わえるはずです。都会の真ん中にありながら、一歩足を踏み入れればそこには静寂と芸術が広がっています。お気に入りのカメラを片手に、今しか撮れない特別な一枚を狙って足を運んでみるのはいかがでしょうか。
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