イエローハットが最高益へ!ドラレコ特注と高収益モデルで時価総額13倍に躍進した秘策

カー用品販売の大手として知られるイエローハットが、破竹の勢いで成長を続けています。2019年10月22日現在の発表によると、同社の2020年3月期連結純利益は、前期比4%増の76億円に達する見通しです。これは2期連続で過去最高を更新する計算であり、まさに「快走」と呼ぶにふさわしい状況と言えるでしょう。かつての赤字イメージを完全に払拭し、企業の価値を示す時価総額は約10年前に比べて13倍という驚異的な膨らみを見せています。

この躍進を支える大きな要因の一つが、社会問題化している「あおり運転」や高齢者ドライバーによる事故への対策需要です。身を守るための装備としてドライブレコーダー、いわゆる「ドラレコ」の需要が爆発的に高まりました。2019年9月のドラレコ販売数は、消費税増税前の駆け込み需要も重なり、前年同月比で約3倍という異例の数字を叩き出した模様です。SNS上でも「安心のためにイエローハットでドラレコを付けた」という声が相次いでいます。

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利益重視の経営改革と高収益なサービス事業の確立

現在の好調ぶりは、2008年10月に就任した堀江康生社長による抜本的な構造改革が結実した結果です。堀江社長は、それまでの多角化路線を大胆に転換し、不採算事業からの撤退や縮小を断行しました。利益率の低い卸売りから小売り主体のビジネスモデルへとシフトし、タイヤや消耗品の販売にリソースを集中させる体制を整えたのです。この「選択と集中」が、現在の筋肉質な経営基盤を作り上げた大きな要因であることは間違いありません。

特に注目すべきは、車検やタイヤ交換といった「サービス事業」の成長でしょう。サービス事業は、商品の仕入れコストが抑えられるため、売上高から原価を差し引いた「売上高総利益率(粗利益率)」が9割を超えるという驚異的な収益性を誇ります。2019年3月期の売上構成比は21.1%にまで上昇しており、10年前と比較して8ポイント以上も拡大しました。物販だけでなく、技術提供という高付加価値な分野で稼ぐ仕組みが確立されています。

出店戦略にも独自の工夫が光ります。同社は新築にこだわらず、コンビニやガソリンスタンドの跡地を活用する「居抜き物件」を積極的に利用しています。これにより、出店コストを新築の約3分の1にまで抑制することに成功しました。低コストで毎年20〜30店舗という着実な新規出店を可能にするこの手法は、投資効率を最大化させる賢明な戦略と言えます。まさに、徹底したコスト管理と成長戦略が両輪となって機能している状態です。

市場では、ライバルのオートバックスと比較して株価収益率(PER)が低く、依然として「過小評価」されているとの指摘もあります。PERとは株価が1株当たりの純利益の何倍かを示す指標で、期待値が高いほど数値が上がります。若者の車離れという逆風の中でも、堀江社長は2020年の東京五輪後を見据え、さらなる出店加速に意欲を燃やしています。実力派企業のさらなる飛躍から、今後も目が離せそうにありません。

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