2019年11月05日現在、東南アジアの主要通貨であるインドネシアルピアが、極めて狭い範囲での値動きに終始する「膠着状態」を見せています。年初から1ドル=1万4000ルピアから1万4300ルピアという安定した水準を維持しており、大きな変動が見られません。この背景には、インドネシア中央銀行による緻密な通貨コントロールが存在していると考えられます。
インドネシア中央銀行は、国内景気の回復を優先させるため、2019年10月には4カ月連続となる政策金利の引き下げを断行しました。「利下げ」とは、中央銀行が景気を刺激するために金利を下げる措置のことです。通常、金利が下がるとその国の通貨は売られやすくなりますが、米国の金融緩和の影響で米長期金利も低水準にあるため、ルピア売りの圧力は限定的となっています。
米中貿易摩擦への過度な不安が和らぎ、投資家のリスク許容度が高まったことで、新興国市場へ資金が戻りつつあります。SNS上では「ルピアは今が買い時か」といった期待の声も上がっていますが、実際には上値が重い展開が予想されるでしょう。これは、中央銀行が将来の通貨急落に備え、外貨準備高を積み増すために「ルピア売り・ドル買い」の介入を行っているためです。
現在のインドネシアの物価上昇率は3%台前半で推移しており、政府が掲げるインフレ目標の中心値を下回る落ち着きを見せています。通貨が高くなりすぎると輸出競争力が低下するため、中央銀行は当面、現在のルピア高を抑制するスタンスを崩さない見通しです。個人的には、この安定こそが海外投資家を呼び込む土壌となりますが、過度な管理は市場のダイナミズムを削ぐ懸念もあると感じます。
リスクオンの波に乗る豪ドルと市場の動向
2019年11月01日までの1週間を振り返ると、オーストラリアドル(豪ドル)が力強い上昇を見せました。世界的に投資家の「リスク回避姿勢」が和らいだことが、資源国通貨である豪ドルへの買い安心感につながったようです。市場全体が落ち着きを取り戻す中で、各国の通貨がそれぞれの経済事情を反映しながら、複雑に、そして興味深く連動している状況と言えるでしょう。
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