福井県から世界へ向けて革新を続ける総合繊維メーカーのセーレン株式会社が、2019年11月1日付で重要な人事異動を発表しました。今回の組織改編は、同社の稼ぎ頭である車輌資材部門をさらに強化する狙いが鮮明に表れています。SNS上では「地元の星であるセーレンがさらに世界へ打って出る姿勢にワクワクする」といった、期待に満ちた声が数多く寄せられているのが印象的です。
今回の人事の目玉は、現場の指揮系統をより強固にするためのトップ層の配置換えにあります。上山公一取締役兼執行役員は、これまでの第一事業部長から第二事業部長へとスライドし、車輌資材部門の副部門長として引き続き全体を統括する重責を担います。特定の領域に固執せず、適材適所で経験を循環させる同社の柔軟な姿勢は、変化の激しい自動車業界において大きな強みとなるでしょう。
北米とアジアを繋ぐグローバル・ネットワークの再構築
海外戦略の要となるのが、セーレンノースアメリカの新社長に就任した細田富士雄執行役員です。彼はデザインセンターの社長も兼任するため、北米市場における製品開発と供給体制の両輪をリードする役割を期待されています。製造の司令塔であった人物が現地トップに立つことで、現地のニーズを即座に生産現場へフィードバックできる「製販一体」のスピード感が加速するのは間違いありません。
一方、成長著しいアジア圏でも動きがありました。セーレンインドネシアの社長を務めていた竹沢康則執行役員が、名古屋支店長を兼務する車輌資材部門の第一事業部長に抜擢されています。海外の最前線で培ったマネジメント経験を国内の営業・管理拠点に持ち帰ることで、日本国内と海外拠点の連携はよりスムーズなものへと進化を遂げるはずです。グローバルな視点を持つ人材の還流は、企業の組織力を底上げする鍵となります。
また、今回の人事では現場の技術力向上にも抜かりがありません。生産技術部には水田和宏氏が主査として加わり、ものづくりの精度をさらに高める体制を整えています。ここでいう「主査」とは、特定のプロジェクトや専門領域において高度な知識を持ち、実務を牽引するエキスパート職を指します。管理職だけでなく、こうしたスペシャリストを適所に配置する点に、技術のセーレンとしての矜持が感じられるでしょう。
編集者の視点から見れば、今回の人事は単なる「席替え」ではなく、世界四極体制をより強固にするための戦略的な一手であると断言できます。特に自動車内装材は、自動運転の普及に伴い「リビングのような空間」としての価値が高まっており、デザインと機能性を両立できるセーレンの出番はますます増えるでしょう。2019年11月から始まる新体制が、どのような付加価値を世界に届けるのか目が離せません。
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