【日経平均VI低下】米中摩擦の懸念後退で市場に安心感か?投資家心理と今後の見通しを徹底解説

2019年6月20日、日本の株式市場で注目すべき動きがありました。それは、市場の不確実性を示す重要な指標である「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」が、およそ1ヶ月半ぶりの低水準まで低下したことです。この日経平均VIは、投資家が今後、日経平均株価がどれだけ大きく変動すると予想しているかを表す指数で、一般的に数値が高いほど「市場の先行きに対する不安が大きい」と判断されます。この指標が2019年6月19日に一時、前日比5.7%も低い15.96を記録し、終値も16.28と低い水準で引けました。

この安心感の高まりの背景には、来週にも米中首脳会談が開催される見通しが強まったことが挙げられます。長らく市場の重石となっていた米中貿易摩擦に対する投資家の過度な懸念が、いったん和らいだことが大きな要因でしょう。会談によって問題解決への糸口が見つかるのではないかという期待感から、株式市場ではリスク回避の動きが一服し、同日の日経平均株価も大きく上昇する展開となりました。株価が下落した際に利益を得る、あるいは損失を限定するために用いられる「プット・オプション(株を『売る権利』)」の売買が減少したことも、VI低下に拍車をかけています。

オプション取引の価格をもとに算出される日経平均VIは、株価の大きな変動、特に下落への警戒感が強まると上昇しやすい特性を持っています。しかし、今回の低下は、市場が短期的な急落リスクを以前よりも低く見積もり始めているサインだと捉えられます。大和証券の木野内栄治氏の指摘にあるように、株式相場において方向感が定まらず、値動きが小さくなる膠着感がやや強まっていたことも、VIが低下した一因であると考えられます。市場の関心が、一時的な材料ではなく、今後のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に移りつつあるのかもしれません。

このニュースが報じられると、SNS上では「とりあえず一安心だ」「これで株価も落ち着くかな」といった安堵の声や、「VIが下がったということは、いよいよ買場到来か?」といった、相場の上昇期待を示す声も見受けられました。特に、市場の不安度が低下したことに対し、冷静な見方を示す投資家も多く、市場のムードが改善傾向にあることが伺えます。ただし、このVIの低下が示す安心感は、あくまで短期的なものに過ぎないという点には注意が必要です。実際、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏のように、「米中交渉は長期化が避けられない」との慎重な見解を持つ専門家も少なくありません。

筆者個人の見解としては、今回のVI低下は「市場の過度な悲観論が後退した」という点で非常にポジティブな動きだと評価できます。しかし、米中摩擦という根本的な問題が解決したわけではありません。首脳会談の結果次第では、再び市場のボラティリティ(変動率)が急上昇する可能性も十分に考えられます。したがって、日本株がここから一本調子で上値を追う展開は限定的だと見るのが賢明でしょう。今回のVI低下は、本格的な上昇相場への転換というよりは、大きな不安材料に対する「一時的な息抜き」と捉え、投資家は引き続き冷静な判断と、リスク管理を徹底すべき時ではないでしょうか。

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