スマホの覇者ブラックベリーがAIセキュリティで劇的復活!2019年最新戦略をCEOに独占インタビュー

かつてビジネスマンの象徴として、その小さなフルキーボードで世界を席巻したスマートフォン「ブラックベリー」。2010年度には約2兆1500億円もの売上を誇りましたが、iPhoneやAndroidの台頭により、2016年には惜しまれつつも端末販売から撤退しました。しかし、同社は今、セキュリティ企業として鮮やかな転身を遂げています。

2019年12月11日現在、同社を率いるジョン・チェンCEOは、かつての衰退の要因を冷静に分析しています。それは、個人のスマホを業務に使う「BYOD」や、自由なアプリ利用というトレンドに、堅牢さを売りとする同社が対応しきれなかったことでした。SNSでも「あのキーボードが恋しい」という声がある一方、新体制への期待が高まっています。

2013年11月に就任したチェン氏は、まずスマホ事業を縮小し、人的・金銭的な資本を確保する英断を下しました。成功体験に固執する社員を説得するのは困難を極めたそうですが、財務の安定と、何より「セキュリティに活路を見出す」という明確なビジョンが、2017年度の黒字転換という形で見事に実を結んだのです。

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AIと買収で進化する鉄壁のセキュリティ戦略

現在のブラックベリーは、ソフトウェアとサービスの企業へと生まれ変わっています。特に注目すべきは、2019年2月に買収を完了したサイランス社です。同社はAI(人工知能)を活用したウイルス対策ソフトの先駆者であり、この技術を取り込むことで、あらゆる端末を守る「エンドポイント」の保護技術を確固たるものにしました。

「エンドポイント」とは、PCやスマホ、あるいはIoT機器など、ネットワークの末端に位置する機器を指す専門用語です。現代では、あらゆるモノがネットにつながるため、その一点一点を守ることが不可欠なのです。チェン氏は、売上高が減少しているのは旧来の端末ビジネスが縮小しているためであり、新領域は年率15%で成長中だと自信を覗かせます。

現在の事業の柱は、自動車のOSなどを含むIoT、サイランスの技術によるAIセキュリティ、そして3万8000件に及ぶ膨大な特許ライセンスの3領域です。特に自動車分野では、AIで安全状態を予測する次世代技術の開発が進んでおり、かつての「スマホの会社」というイメージを過去のものにしようとしています。

かつての王者が、自身のプライドを捨ててまで未来に賭けた姿勢は、現代の日本企業にとっても大きな刺激になるでしょう。目先の利益ではなく、長期的な成長のために投資を続けるブラックベリー。2019年9月24日の取材時に語られたその戦略からは、再び世界のインフラを支える企業へと返り咲くという強い意志が感じられました。

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