セメント協会(東京都中央区)から発表された最新のデータによると、2019年04月01日から2019年09月30日までの期間における、国内のセメント販売実績が明らかになりました。この上半期における総販売量は2035万2200トンを記録しましたが、これは前年の同時期と比較すると1.7%の減少を示しています。インフラ整備や建設需要が期待される中で、わずかながらも前年を下回る結果となった点は注目に値するでしょう。
今回の販売量減少には、いくつかの具体的な要因が重なり合っているようです。まず大きな要因として挙げられるのが、カレンダーの関係で前年に比べて稼働日が2日間少なかったことでしょう。建設現場における2日間の差は、出荷スケジュールに決して小さくない影響を及ぼします。これに加えて、2019年の夏から秋にかけて日本列島を襲った度重なる台風や地震といった自然災害が、物流や工事の進捗を物理的に遮断してしまったことも要因の一つと言えます。
セメントとは、石灰石などを原料とした粉末状の結合材であり、水と反応して硬化する性質を持っています。砂や砂利と混ぜることで「コンクリート」へと姿を変え、道路や橋、ビルといった私たちの生活基盤を支える重要な資材となります。このセメントの販売量は、しばしば景気の動向や建設業界の活況度を測るバロメーター(指標)として用いられることが多く、今回の微減は業界関係者にとっても、今後の市場動向を占う上での懸念材料となっているようです。
SNS上では、このニュースに対して「最近の台風の猛威を考えれば、出荷が止まるのは致し方ない」「現場の工期が遅れているのを肌で感じる」といった、実感を伴う声が数多く寄せられています。また、「人手不足に加えて天候リスクまで重なるとは、建設業界も大変だ」と現場を気遣う意見も散見されました。災害大国である日本において、安定した資材供給を維持することの難しさが、改めて浮き彫りになった形と言えるかもしれません。
編集者の視点から申し上げますと、今回の1.7%という数字は単なる「落ち込み」ではなく、私たちの社会が直面している「気候変動リスク」の現れであると捉えています。稼働日の減少といった予測可能な事態はともかく、激甚化する自然災害は経済活動に直接的なブレーキをかけます。しかし、復興需要や強靭なインフラ再構築に向けて、セメントの重要性が揺らぐことはありません。下半期には、遅延したプロジェクトの挽回による需要の回復を強く期待したいところです。
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