2019年11月8日現在、日本の株式相場を代表する指標である日経平均株価は、わずかながらも3日連続で上昇を記録しています。さらに、その年の最も高い水準を指す「年初来高値」を更新し続けており、市場全体としては非常に活況を呈しているように見えるでしょう。いよいよ2万4000円の大台回復も見えてきたことで、ニュースなどでも好調な経済動向として大々的に報じられることが増えてきました。
しかし、そんな華やかな相場の裏側で、私たち一般の個人投資家はすっかり蚊帳の外に置かれているのが実態です。TwitterなどのSNSを覗いてみても、「日経平均は上がっているのに、自分の持ち株はさっぱり上がらない」「相場の恩恵を全く感じられない」といった、ため息交じりの声が数多く飛び交っています。この温度差の背景には、2018年12月末に発生した相場急落のトラウマが大きく影響していると考えられます。
投資の好循環を止める「個人不在」の深刻な現状
2018年12月のショックから傷が癒えきっていないため、多くの個人投資家は新たな資金を投入する余力が乏しい状態が続いています。その影響を最も色濃く受けているのが、2019年中に上場を果たしたIPO(新規株式公開)銘柄の値動きでしょう。IPOとは、未上場の企業が新しく株式を証券取引所に公開し、誰でも売買できるようにすることを指しますが、今年は期待されたほどの初値がつかないケースも散見されます。
本来であれば、IPO銘柄が大きく上昇することで個人投資家が利益を得て、その資金がまた別の銘柄へと向かう「投資の好循環」が生まれるのが理想的なシナリオです。しかし現状は、その起爆剤となるべき資金の巡りが完全に滞ってしまっています。一部の大口投資家や外国人投資家だけが相場を牽引し、一般個人のマネーが市場に行き渡らない「個人不在」の状況は、決して健全な相場環境とは言えません。
インターネットメディアの編集者としての視点から申し上げますと、この歪な株価上昇はどこかで息切れを起こすリスクを孕んでいると感じます。個人投資家が安心して市場に参加し、多様な銘柄に資金が循環してこそ、真の経済成長へと繋がっていくのではないでしょうか。日経平均という表面的な数字の回復だけに惑わされず、市場の奥底で起きている資金の枯渇問題に、もっと焦点を当てるべき時期に差し掛かっていると確信しています。
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