歴史を学ぶとき、教科書に並ぶ年号や人物名に圧倒されて、どこか遠い世界の出来事のように感じたことはありませんか。そんな方にこそ手に取っていただきたい一冊が、2019年11月11日現在、日経ビジネス人文庫から好評発売中の『30の都市からよむ世界史』です。
本書は、単なる歴史の解説書にとどまりません。十字軍の遠征をきっかけに莫大な富を築き上げた水の都ヴェネツィアや、かつては「ウサギ島」と呼ばれるほど荒廃した土地だったサンクトペテルブルクなど、都市の意外な成り立ちを鮮やかに描き出しています。
さらに、現在では華やかなファッションの聖地として知られるパリが、実は古代ローマの英雄カエサル率いる軍団によって礎を築かれたというエピソードには驚かされるでしょう。都市が誕生した理由を知ることで、見慣れた地図の景色がドラマチックに変わるはずです。
SNS上では「旅行へ行く前に読みたかった」「地名に隠された由来を知ると、その街への愛着が湧く」といった声が上がっています。専門用語についても、例えば「十字軍」を「キリスト教聖地の奪還を目指した遠征軍」として、その経済的影響を含めて分かりやすく紐解いています。
私は、都市とは人間が積み重ねてきた記憶の貯蔵庫だと考えています。本書が主要な建築物の背景まで丁寧に網羅している点は、歴史好きのみならず、実際にその地を訪れたいと願う旅行者の好奇心も存分に満たしてくれることでしょう。
本書は神野正史氏が監修を務め、造事務所が編著を担当した304ページにわたる充実の内容です。日本経済新聞出版社から本体価格850円(税別)で出版されており、文庫サイズで持ち運びにも適しています。古代から現代までを一気に俯瞰できる贅沢な読書体験をぜひお楽しみください。
コメント