東北の経済拠点として活気づく宮城県仙台市において、ビジネスシーンの最前線に変化の兆しが現れています。賃貸オフィス仲介の大手である三鬼商事が発表したデータによれば、2019年10月における仙台市中心部のオフィス空室率は、前月を0.07ポイント上回る4.14%を記録しました。ここ数カ月は低下傾向が続いていたものの、実に3カ月ぶりの上昇に転じたことは、地元企業の注目を集めています。
今回の数値上昇を受けて、SNS上では「ようやく物件探しに余裕が出るのではないか」という期待の声が上がる一方で、「依然として希望の条件で見つけるのは困難だ」といった切実な意見も散見されます。「空室率」とは、ビル全体の貸付面積に対して、実際に借り手がついていないスペースの割合を指す重要な指標です。この数値が変動することで、その地域の景気や企業の進出意欲をダイレクトに読み取ることが可能になります。
主要エリアで軒並み数値がアップ、駅前地区の解約が影響か
具体的なエリア別の動向を確認すると、最も大きな変化が見られたのはJR仙台駅前地区でした。2019年10月時点の数値は2.81%となり、前月から0.14ポイント上昇しています。これは、企業の拠点が縮小されたことに伴う解約が相次いだためと考えられます。利便性の高い駅前であっても、移転や整理といった新陳代謝が絶えず繰り返されている現実が、今回の調査結果から鮮明に浮き彫りになりました。
また、ショッピングやビジネスが融合する一番町周辺地区では3.25%、行政機関が集積する県庁・市役所周辺地区でも5.73%と、いずれも前月比で0.07ポイントの上昇を見せています。市内全体で緩やかに空室が増えた格好となりますが、特筆すべきは「新築ビル」の供給が現在ストップしている点です。供給が限定的であるため、空室が少し増えた程度では、オーナー側が提示する「賃料」が高水準で維持される状況は変わらないでしょう。
私個人の見解としては、今回の空室率上昇は一時的な調整局面であり、仙台のオフィス市場が冷え込んだわけではないと分析しています。むしろ、これまで需給が逼迫しすぎていたため、適度な空きが出ることで企業の移転や新規参入のチャンスが生まれるはずです。新築の供給がない今、既存物件のリニューアルなどが、今後のテナント獲得の鍵を握るのではないでしょうか。今後の市場動向から、ますます目が離せません。
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