【徹底解説】大学入学共通テスト「国語記述式」導入の波紋!私立大の4割利用にとどまる理由と受験生への影響とは?

2021年1月より、これまでの大学入試センター試験に代わり「大学入学共通テスト」が産声を上げます。この新テストにおける最大の焦点の一つが、思考力や表現力を測るために導入される「国語の記述式問題」です。文部科学省が2019年11月22日までにまとめた調査結果によりますと、この記述式を一般入試で合否判定に活用する私立大学は約4割にとどまっていることが明らかになりました。

一方で、国公立大学においては9割を超える高い利用率を示しており、志望校の種別によって記述式への対応が大きく分かれる形となっています。今回導入されるのは、正解を一つ選ぶマークシート方式ではなく、受験生自らが文章を綴る3問の設問です。成績は5段階の段階評価で示され、各大学はこれをマークシートの得点に加算するなどの方法で活用する仕組みとなっています。

スポンサーリンク

公平性と採点精度への根強い不信感

なぜ私立大学はこれほどまでに記述式の利用をためらっているのでしょうか。その背景には、約50万人規模という膨大な受験生の答案を、わずか20日間という短期間で採点しなければならないという過酷な現実があります。採点には1万人もの人員が投入される見込みですが、これだけの規模になると採点者ごとに評価の基準が揺らいでしまう「採点のブレ」を完全に防ぐことは極めて困難であるとの指摘が絶えません。

実際に、明治大学は受験生の利益を最優先に考える「受験生ファースト」の観点から、採点の質と公平性が十分に担保されていないと判断し、利用を見送る方針を打ち出しました。この決断に対し、SNS上では「公平性が保てない試験で人生が決まるのは怖い」「英断だと思う」といった共感の声が相次いでいます。受験生にとって、採点の不透明さは将来を左右する死活問題と言えるでしょう。

また、記述式問題には「自己採点の難しさ」という厄介な課題もつきまといます。模範解答通りに書けたかどうかを自分自身で正確に判断できなければ、共通テストの結果を見てから出願先を決める現行のシステムにおいて、受験生は迷走することになりかねません。予備校関係者からは、記述式を課すことで受験者数が減ることを恐れる大学側の「敬遠」を指摘する声も上がっています。

編集者が見る「記述式」導入の理想と現実

編集者の視点から申し上げますと、論理的思考力を問う記述式導入の理念自体は、これからのAI時代を生き抜く若者にとって非常に意義深いものだと感じます。しかし、2019年10月11日時点の集計で見えてきた大学側の温度差は、あまりに拙速な制度設計の歪みを露呈しているのではないでしょうか。公平性が命である入試において、信頼が揺らぐような制度は本末転倒と言わざるを得ません。

特に私立大学が慎重な姿勢を崩さないのは、受験生の納得感を得られない試験制度が、大学自体のブランドイメージを損なうリスクを敏感に察知しているからでしょう。文部科学省は「利用しない理由を十分に把握できていない」としていますが、現場の不安を汲み取らぬまま強行すれば、受験生に過度な負担を強いることになります。今後も試験のあり方について、さらなる議論の深化を期待したいところです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました