2019年11月07日、日本の教育界を揺るがしている大学入学共通テストへの「英語民間試験」導入延期問題について、制度設計の核心を知る人物が公の場で口を開きました。上智大学言語教育研究センター長を務める吉田研作氏が、東京都千代田区の日本記者クラブにて記者会見を行い、現在の心境と制度の妥当性について詳述したのです。文部科学省の会議体で議論を重ねてきた立場として、今回の延期決定には複雑な思いがあるに違いありません。
SNS上では「経済状況や住んでいる地域で不公平が生まれるのは当然の懸念だ」という反対意見が目立つ一方で、「現行の受験英語から脱却するには避けて通れない道だった」という推進派の嘆きも見られます。吉田氏は、地域格差が助長されるという世論の批判に対し、全都道府県に会場を用意している試験も存在することを強調しました。本来であれば、現時点での実施は十分に可能であったという確信を持たれている様子が伺えるでしょう。
利益相反の疑念と大学側に求められる姿勢
今回の会見では、吉田氏が認定試験の一つである「TEAP(アカデミック英語能力判定試験)」の開発に関与していたことから、制度設計への参画が「利益相反」にあたるのではないかという厳しい追及もなされました。これに対し氏は、文部科学省の要請に応じたまでであり、最終決定権を持つ立場ではなく、あくまで提案を行う役割だったと明確に否定しています。専門知識を公共のために提供したという自負が、その言葉からは強く感じられました。
また、議論の焦点となっている地域格差についても、当初から解消に向けた検討は行われていたと説明しています。しかし、具体的な活用方法の決定を先延ばしにした各大学の対応が、結果として混乱を招いた一因であるとの持論を展開しました。教育現場の足並みが揃わなかったことが、受験生に不安を抱かせる一因になったことは否認できない事実でしょう。
筆者の視点から申し上げれば、教育の公平性は最も尊重されるべき原則ですが、グローバル化が進む現代において「話す・書く」能力を測る改革は急務です。吉田氏が述べた「全ての生徒に平等とは言い切れないが、一歩前に進むことが重要」という言葉は、理想と現実の狭間で苦悩する教育界の本音を象徴しているように感じます。完璧な制度を待つあまり、日本の英語教育が停滞し続けることへの危機感を共有すべき時なのかもしれません。
コメント