日本のものづくりを支える製造現場において、熟練者の技術継承や作業効率の改善は常に大きな課題となってきました。こうした中で三菱電機は2019年11月12日、カメラ映像から工場の作業員の動きを捉え、無駄やミスを瞬時に特定する画期的なシステムを開発したと発表しました。
今回登場した新システム「骨紋(こつもん)」は、最先端の人工知能(AI)と高度な映像解析技術を融合させたものです。最大の特徴は、分析に要する時間を従来の10分の1という驚異的なスピードまで短縮した点にあります。これまでは専門の担当者が膨大な時間をかけてチェックしていた作業が、AIの力で劇的にスマート化されるのです。
AIによる骨格検知がもたらす驚きの時短効果
「骨紋」の仕組みは非常にユニークで、作業者の上半身、特に手や肩といった骨格の動きをデジタル化して解析します。これにより、作業手順に間違いがないか、あるいは一つの工程に時間がかかりすぎていないかを的確に判断してくれます。生産管理の現場では、これまで30日も費やしていた分析業務が、わずか3日にまで圧縮される見込みです。
このシステムは単なる効率化に留まりません。例えば、作業員が体に負担のかかる姿勢を続けている場合、コンピューターが自動的にその課題を指摘します。現場で働く人々の疲労軽減や健康管理までサポートしてくれる点は、人間中心の設計と言えるでしょう。
現場の負担を最小限に抑えた次世代の導入スタイル
従来のシステムでは体にセンサーを装着する必要があるなど、作業の邪魔になるケースも少なくありませんでした。しかし、三菱電機の新システムはカメラ一台で完結するため、作業員は何の違和感もなく普段通りに仕事を進められます。この「自然体でいられること」こそが、現場導入を加速させる鍵になるはずです。
SNS上では「ついにここまで来たか」「職人の勘を数値化できるのはすごい」といった驚きの声が広がっています。また、人手不足に悩む他の中小企業からも、2020年度以降の外販開始に向けて大きな期待が寄せられているようです。
編集者の私個人としては、AIが「監視」ではなく「良きパートナー」として機能するこの流れを大いに歓迎します。技術が人のミスを責めるのではなく、より楽に、より正確に働ける環境を整えるために使われることこそ、真のDX(デジタルトランスフォーメーション)と呼べるのではないでしょうか。
コメント