2019年10月1日に消費税率が10%へと引き上げられ、私たちの家計には少なからず負担が増しています。そんな中で発表された会計検査院の報告は、到底納得できるものではありません。国の2018年度決算に対する検査の結果、税金の使い方に問題があると指摘されたケースは335件に上り、その総額は1002億円という巨額に達しています。
件数自体は15年ぶりの低水準だったとのことですが、金額の大きさを考えれば決して見過ごすことはできないでしょう。SNS上でも「増税をお願いする前に、まずは自分たちの無駄を削るのが筋ではないか」といった厳しい批判が相次いでいます。国民が痛みを分かち合っている今、行政にはこれまで以上に厳しい規律と透明性が求められているのです。
浮き彫りになった杜撰な資金管理と海外援助の空洞化
今回の報告で特に目立ったのは、独立行政法人「中小企業基盤整備機構」による基金の扱いです。これは中小企業が融資を受ける際の保証をバックアップするための公的な貯金箱のようなものですが、政府が出資した375億円のうち、なんと202億円もの大金が使われる見込みのないまま眠っていました。まさに「宝の持ち腐れ」であり、速やかな国庫への返還が求められています。
また、国際貢献としての政府開発援助(ODA)でも信じがたい実態が判明しました。ソロモン諸島の給水設備を整えるために約21億円もの税金が贈与されましたが、実際には全く活用されていない状況です。さらに、待機児童対策の切り札とされる「企業主導型保育所」を巡っても、富山市の企業が2800万円以上を過大に受け取るなど、事前の審査体制の甘さが露呈しています。
命を守る防災対策に潜む致命的な欠陥
近年、日本各地を襲う豪雨や地震の驚異を考えれば、防災・減災への投資は最優先事項と言えるはずです。しかし、会計検査院が重点的に調査した結果、そこには驚くべき「手抜き」が隠されていました。国の補助金で整備された河川や下水道などの施設272カ所のうち、半数を超える158カ所で電気設備の耐震調査が行われていなかったのです。
ここで言う耐震調査とは、大きな揺れが起きた際にも施設が正常に稼働し続けるかを確認する極めて重要な点検作業を指します。もし非常用発電機が浸水で動かなかったり、ため池の補強が不十分だったりすれば、人命に関わる事態を招きかねません。国民の安全を盾に予算を確保しながら、その実態が伴っていない現状は、極めて無責任な態度だと言わざるを得ません。
日本の財政状況は、2019年11月13日現在も「火の車」と称されるほど厳しい局面が続いています。無駄な支出を徹底的に排除し、真に必要な場所へ一円でも多く予算を届ける。当たり前のことですが、今こそ行政にはその原点に立ち返る勇気を持ってほしいと切に願います。現場のチェック機能を強化し、二度と同じ過ちを繰り返さない体制構築が急務でしょう。
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