防災施設の6割が「電気設備」の耐震未調査!水門が動かないリスク浮き彫り、会計検査院が国交省へ改善要求

2019年11月08日、私たちの命を守るはずの防災インフラに衝撃的な事実が判明しました。国の補助金で整備された水門や排水ポンプ場などの河川・下水道施設において、自治体が実施した耐震調査の約6割で「電気設備」の耐震性が確認されていなかったことが、会計検査院の調べで明らかになったのです。地震発生時に肝心の装置が動かなければ、甚大な被害を招く恐れがあります。

今回の調査対象となったのは、2019年03月末(2018年度末)までに耐震調査を終えた9県38市町の272施設です。そのうち8県21市町の158施設、金額にして約945億円もの補助金が投じられた現場で、制御装置や自家発電機といった電気系のチェックが漏れていました。施設本体の強度は調べていても、それを動かす「心臓部」の安全性が置き去りにされていた実態は極めて深刻です。

ここで専門用語を整理しましょう。「河川管理施設」とは、大雨で増水した際に本流から支流への逆流を防ぐ「水門」や、住宅街の浸水を防ぐ「雨水排水ポンプ場」などを指します。これらは停電時でも動くように「自家発電装置」を備えていますが、この発電機や制御パネル自体が地震で倒れたり破損したりすれば、水門を閉じることも排水することもできなくなってしまいます。

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明確な指針の欠如が招いた「盲点」と今後の課題

なぜこれほど多くの見落としが生じたのでしょうか。原因は国土交通省が自治体に示していた指針にあります。施設本体の調査方法は明記されていたものの、電気設備については具体的な手法が示されていませんでした。例えば三重県の「鵜方水門」では、南海トラフ巨大地震を見据えて2012年に大規模な改修を行いましたが、電気設備の耐震性は「どう対応すべきか分からなかった」として手付かずの状態でした。

さらに調査では、決壊時に人的被害が出る恐れのある「防災重点ため池」の判定不備も発覚しました。国の指針では「200年に1度の洪水」を基準とすべきところを、約4割の施設で「50年に1度」という甘い基準で運用していたのです。これにより、本来なら改修が必要な危険なため池が見逃されている可能性が浮上しており、自然災害への備えに大きな穴が空いている現状が浮き彫りとなりました。

SNS上では「箱物だけ作って中身が動かないのでは意味がない」「お役所仕事の典型的なミスだ」といった厳しい批判が相次いでいます。特に近年、台風や集中豪雨による水害が激甚化しているだけに、「いざという時に水門が閉まらないなんて恐ろしすぎる」と、自身の住む地域の安全性を不安視する投稿も目立ち、行政への信頼回復を求める声が急速に高まっている様子です。

編集者としての意見ですが、近年の異常気象を考えれば「想定外」を言い訳にできる時代は終わりました。ハード面の強化はもちろん不可欠ですが、それを確実に稼働させるソフトや基準の整備こそが防災の本質です。国交省は2019年09月に調査の必要性を伝達したとのことですが、迅速な再調査と補強を急がねばなりません。人命に直結するインフラ管理において、二度とこうした「盲点」を作ってはならないのです。

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