2019年08月28日現在、世界経済は大きな転換点を迎えています。米中貿易摩擦の激化をきっかけとした景気減速の波は、製造業を主軸に据える日本企業の業績にも影を落とし始めました。円高の進行やエネルギーコストの上昇といった懸念材料も重なり、経営の舵取りはかつてないほど難しくなっていると言えるでしょう。
海外市場への依存を強めてきた日本企業にとって、目まぐるしく変わる国際情勢は、ダイレクトに自社の数字へと跳ね返ってきます。私が日々のコンサルティング活動の中で耳にする現場の声からも、中国拠点における輸出の大幅な落ち込みは顕著であり、もはや一時的な停滞では済まされない深刻な事態であると痛感しています。
こうした逆風の中で、今まさに「チャイナプラスワン」の動きが再燃しています。これは、生産拠点を中国一極に集中させるリスクを回避するため、他の国、特に東南アジア諸国連合(ASEAN)へ分散させる経営戦略を指す言葉です。特にベトナムなどへの移転ラッシュは、加熱の一途をたどっているのが現状です。
SNS上では、この急激なシフトに対して「いよいよASEANが世界の工場の主役になるのか」といった期待の声が上がる一方で、「現地の管理職が足りていないのではないか」という不安も囁かれています。製造ラインを物理的に動かすことはできても、それを動かす「人」の確保が追いついていないのです。
私は、この新潮流において最も重要な役割を担うのは、現地で指揮を執る日本人の質だと確信しています。異国の地で現地のスタッフと心を通わせ、日本の品質基準を浸透させるには、単なるスキル以上の人間力が求められます。彼らが橋渡し役として機能するかどうかが、進出の成否を分ける決定打になるはずです。
これからの時代、日本企業がグローバルな競争力を維持するためには、場所選びと同じくらい、現地を支える「人材」の育成と確保に心血を注ぐべきでしょう。ASEANという新天地が日本企業の希望の光となるよう、私たちも人材紹介の側面から全力でその挑戦をサポートしていきたいと考えています。
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