アジアの「ラストフロンティア」と称されるミャンマーで、今、IT技術を武器に社会のあり方を変えようとする若い才能たちが次々と産声を上げています。2019年11月20日現在、現地のスタートアップシーンはかつてないほどの盛り上がりを見せており、単なるビジネスの枠を超えた社会課題の解決が加速しているのです。
その筆頭として注目を集めているのが、元教師のラ・ラ・ウィン氏が設立した教育系スタートアップ「360ed」でしょう。同社は、スマートフォンのカメラを教材にかざすだけで、平面のイラストがまるで魔法のように立体的な3D映像として浮かび上がる画期的な学習システムを世に送り出しました。
ここで活用されているのは「拡張現実(AR)」と呼ばれる、現実の世界にデジタル情報を重ね合わせる高度な技術です。この視覚的なアプローチは、子供たちの理解を劇的に深める可能性を秘めています。既に高校生向けの理科教材が市場に投入されており、SNS上でも「教育の格差を埋める一助になる」と期待の声が広がっています。
一方、生活環境の改善に挑む「リサイグロ」というユニークな企業も台頭しています。彼らは資源ごみの適切な処理を目指し、契約先へ専用の分別ボックスを設置する事業を展開中です。単にごみを回収するだけでなく、廃棄したい側と回収業者をシームレスにつなぐデジタル・インフラの構築を進めている点に、その真価があると言えるでしょう。
加速する起業支援とミャンマーの経済的ポテンシャル
ミャンマーでこれほどまでに起業家たちが活躍できる背景には、急速に整いつつあるビジネス環境の存在が欠かせません。スタートアップ向けのモダンなシェアオフィスが次々と誕生しており、志を同じくする若者が互いに切磋琢磨できる物理的な拠点が確保され始めたことは、非常に大きな進歩ではないでしょうか。
さらに、資金面でのバックアップ体制も強化されています。11社ものベンチャーキャピタルが集結し、新たな投資協会が発足したことは、将来性のある企業への資金流入をよりスムーズにするでしょう。こうした盤石な支援体制によって、今後もミャンマー発の革新的なサービスが次々に誕生するに違いありません。
私個人としては、ミャンマーのスタートアップが「既存の不便さ」を飛び越え、いきなり最先端の技術を導入する「リープフロッグ(カエル跳び)」現象を起こしている点に強く惹かれます。インフラが未整備だからこそ、彼らの柔軟な発想が国全体の成長を力強く牽引していくはずです。
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